2022 Fiscal Year Research-status Report
敗血症病態時の好中球細胞外トラップ産生能とmicroRNAによる制御の解明
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20K09211
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中嶋 康文 近畿大学, 医学部, 教授 (70326239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 淳 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (40433263)
影山 京子 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (80347468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
耐糖能障害を伴う(重症)敗血症では、過剰な免疫抑制状態が生じ、予後不良を来すが、我々は血球や血管内皮細胞が産生するmicroRNA(miRNA)が、炎症病態を修飾する重要な要因になると考える。その機序と新しい治療法を見出すために、次世代シーケンサーによる網羅的なmiRNA発現解析、遺伝子導入手技等を用いて、病態を解明し、今後の遺伝子治療を展開したい。その中で、特に好中球が放出する好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular traps, NETs)に注目している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、特に海外にある実験のための備品、消耗品の納品が目立ち、外注予定の実験を含め、全体的に実験の進行が妨げられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
好中球の培養実験 糖濃度の異なる培養液を用いた健康成人被験者からえら得た好中球の培養系において、LPSを含有する培養液で24-48時間培養後、ホルボール12-ミリスチン酸13-酢酸塩(PMA)負荷し、好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンを蛍光色素染色後、蛍光倒立顕微鏡で観察、または培養後の回収液をフローサイトメーターで定量化し、対象群と比較検討する。 NGS実験 RNA抽出後、次世代シーケンサーによるによるmRNA, miRNAの網羅的解析を施行後、IPAソフトを用い関与している細胞内情報伝達系を解析する。 臨床研究 ICU入室患者を対象に、1)非敗血症患者、2) 耐糖能障害の無い敗血症患者、3) 耐糖能障害の有る敗血症患者から採血後、好中球を抽出し、細胞培養研究で検討した好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンの発現、及びmiRNA発現のデータの比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた培養細胞を用いた実験系の施行と、その結果から得られた臨床研究を予定していたが、コロナ窩のため、実験消耗品の納入が滞ったために、次年度に再度、培養細胞の実験を施行し、その結果を基に、患者から採血検体を用いて、臨床研究で同様の結果が得られるか、同様の実験を施行するため。
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