2021 Fiscal Year Research-status Report
Does opioid analgesia cause prolonged postoperative pain? -Involvement of spinal astroglial activation-
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20K09215
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 美佳 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20774061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 洋 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)
紙谷 義孝 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90381491)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モルヒネ / 術後痛モデル / 術後遷延痛 / 機械刺激 / 熱刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはオピオイドによる術後疼痛の遷延化において、モルヒネによる鎮痛が脊髄後角におけるグリア細胞の機能変化により遷延痛をきたすという仮説を検証するために,2021年度はC57BL/6Nマウスを用いて,術後痛モデルを作製した.足底には消毒のみを施したcontrol群,足底の皮膚だけを薄く切開し縫合をしたsham群,足底をなるべく出血しないように切開し足底筋を露出させ,横に4本メスで傷をつけた術後痛モデル群,これらすべての群の作製前後に,von Freyによる機械刺激および Hargreaves法によるplantar testを実施し,それぞれの痛覚閾値を比較,痛みの閾値を15日間毎日午前中のほぼ同じ時刻に測定し評価した. その結果,上記のsham群と術後痛群での疼痛閾値の顕著な差は,機械刺激および熱刺激の両方の検討において認められなかった. 次にモルヒネ投与による遷延性術後痛が発症するかどうか検討するため,術後痛モデル群に対しては術後痛モデル作製に引き続きモルヒネ20mg/kg/day相当の投与量となるように浸透圧ポ ンプを使ってマウスの皮下に留置し,その後の疼痛閾値について毎日行動解析を行い評価した.対照群には,生理食塩水を用いて,モルヒネと同様に浸透圧ポン プに注入し,皮下に留置した.結果,術後痛モデル群は熱刺激に対しては術後2日目まで,機械刺激に対しては術後3日目までの疼痛閾値は増加し痛みは抑制された.しかし,機械刺激では術後4日目から,熱刺激では術後3日目から再び疼痛閾値が減少した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
術後痛モデルをマウスで作製しているが,比較対象とするsham群でも痛みが惹起されているため,術後痛モデルの作製に検討を要している.現在は,足底消毒のみとの比較をしているが,この群が術後痛モデルとの比較として適切なのか検討を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
術後痛モデル作製の検討をはじめ,モルヒネの濃度も適切かどうか検討する必要がある.術後痛モデルマウスとcontrol群,sham群の脊髄および脳のサンプルを回収し,どのような違いがあるのかを検討していく予定である.
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Causes of Carryover |
コロナの影響もあり,研究が思うように進まなかった.また,当初予定していたモデル作りの検討に時間を要しているおり,その先に検討を予定していた電気生理学的研究が初期段階で計画通り進められていないため,思ったほどの金額が必要ではなかった.今後は,電気生理学的研究をすすめるために繰り越した金額を用いて更に検討していく予定である.
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Research Products
(1 results)