2020 Fiscal Year Research-status Report
直腸癌手術における電極付き尿道カテーテルを用いた術中排尿機能モニタリングの検討
Project/Area Number |
20K09226
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
阿部 龍一 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60542503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 恒範 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00736506)
植村 景子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10645873)
林 浩伸 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30464663)
久下 博之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30801774)
小山 文一 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (40316063)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動誘発電位測定 / 術後排尿機能障害 / 直腸癌手術 / 尿道括約筋 / 術中モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
直腸癌の外科的手術を予定された15症例で、術中に電極付き尿道カテーテルを用いて尿道括約筋からの運動誘発電位を測定した。このうち13症例で安定した術中の尿道括約筋からの運動誘発電位が記録できた。残りの2症例で電極留置に関する技術的な問題が原因で術中の運動誘発電位が記録できなかったが、この問題は今後再発しないように修正できている。 手術中に排尿括約筋からの運動誘発電位が有意に低下または消失した2症例では術後に排尿機能障害が発生した。この結果より術後の排尿機能障害の予測に有用である可能性が示唆される。また測定中に運動誘発電位の振幅減少が認められた場合、外科医が認識できていない段階での、軽微な排尿筋支配神経の損傷を事前に検出している可能性が高い。これにより外科医への注意喚起、手術操作の中断、変更を提案することで、術後の患者の排尿機能障害を防ぐことが可能になると思われる。 本研究は従来の四肢や顔面筋から記録する運動誘発電位測定を尿道括約筋からの検出に応用したものであり、電極付き尿道カテーテルでの測定方法が確立し、その有用性が証明されれば患者の術後の生活の質向上へ大きく貢献することになると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、様々な予定手術の実施が延期、制限されており、本研究の対象となる直腸癌手術も例外ではない。そのため予定よりも手術症例が実施に至っておらず、データ集積が遅れを見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数を蓄積し、電極付き尿道カテーテルを用いた排尿括約筋からの運動誘発電位モニタリングの信頼性を統計学的に検討していく。
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Causes of Carryover |
現在新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、様々な手術の実施が延期、制限されており、本研究の対象となる直腸癌手術も当初の予定よりも実施件数が減少し、必要物品購入のための支出額が当初の申請額よりも減少した。また関連学会の開催も現地開催が減少し、オンライン開催になるなどの影響で旅費の使用機会が失われた。
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