2021 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanisms of nociceptive somatosensory disorders revealed by a novel regulatory method of microglia
Project/Area Number |
20K09227
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
歌 大介 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (70598416)
雑賀 史浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10644099)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 痛み / 痒み / 脊髄 / ミクログリア / 接触皮膚炎 / 乾癬 / DREADD |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ジフェニルシクロプロぺノン処置による接触皮膚炎やイミキモド処置による乾癬モデルマウスを用い、慢性掻痒におけるミクログリアの関与について検討を行った。これらの病態下では、Iba1抗体を用いた免疫組織化学染色によってミクログリアの形態的活性化が認められ、さらに定量的PCR解析によって炎症性サイトカイン・ケモカインの発現が増加することを見出した。特にイミキモド処置によるミクログリアの活性化は他のモデルと比較して顕著であり、活性化の指標となる分子(CD68、TLR4、IRF5など)もそれを裏付けるように増加していた。痒みを伝達するTRPV1陽性一次知覚神経をレジニフェラトキシン処置によって破壊したマウスでは、イミキモド処置による引っ掻き行動が有意に抑制されており、その際に脊髄ミクログリアの活性化も減弱していた。すなわち、慢性掻痒時には一次知覚神経からの情報伝達によって、脊髄ミクログリアが活性化している可能性が示唆された。さらにミクログリア特異的なCx3cr1プロモーター制御下でGi-DREADDを誘導可能なマウスを用いてその役割を評価したところ、イミキモド処置による引っ掻き行動が部分的に抑制された。これらの結果を踏まえると、脊髄ミクログリアは慢性疼痛のみならず、慢性掻痒モデルにおいても活性化する可能性が示唆される。さらに網羅的解析によって、活性化ミクログリアにおける遺伝子発現プロファイルは慢性疼痛と慢性掻痒でそれぞれ異なることを確認している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、慢性掻痒におけるミクログリアの活性化とその重要性を示すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
痛みと痒みでミクログリアの性質が異なる可能性が示唆されるため、DREADD法を中心に、それぞれの病態下におけるミクログリアの役割を評価するとともに、ミクログリアによる痛み・痒みの選別機構を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
一定の残額があるものの、物品費に充てる予定の範囲内であり、次年度に繰り越した方が有効に使用できると判断したため。
|