2020 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過性ペプチドを用いた細胞死抑制による新たな抗敗血症薬の提案
Project/Area Number |
20K09231
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中林 修 東邦大学, 医学部, 助教 (50328613)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アポトーシス / cFLIP / MIB2 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は、周術期管理において生命予後に大きな影響を及ぼす病態である。敗血症による血管内皮細胞の障害はアポトーシスであると考えられているが、詳細な細胞死メカニズムは不明である。さらに臨床開発を目的としモデル動物を用いてアポトーシス阻害剤の効果が検討されているが、現在のところ十分に効果的な薬剤は存在しない。アポトーシスおよびネクロプトーシス(制御されたネクローシス)を抑制する重要な因子としてcFLIPというタンパク質が知られている。申請者は、cFLIPに結合し安定化に関与する分子としてMIB2を見出た。本研究では、MIB2によるcFLIPの安定性が強化されることにより血管内皮細胞の障害が抑制されるかどうか調べる。さらに、cFLIPの安定性を強化させるような新たな敗血症治療薬の開発を行うことを目的とする。敗血症により全身で炎症が起こる際、障害を受けた臓器よりサイトカインが放出され、それが血管内皮細胞を傷害することによりさらなるサイトカイン放出が起こり、多臓器不全に至ることが明らかとなってきた。サイトカインによる血管内皮細胞の障害はアポトーシスと考えられ、アポトーシスの実行分子であるカスパーゼの阻害剤は実験動物を用いた敗血症モデルで検討されているが、期待された効果は得られていない。 cFLIP分子内のMIB2結合領域に結合し、cFLIPを安定化させるペプチドを得るため、293T細胞を用いた発現系により、cFLIPとMIB2の一部を共発現させ、免疫沈降法により結合の検出を行った結果、結合領域は64アミノ酸残基まで絞り込むことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] MIND bomb 2 prevents RIPK1 kinase activity-dependent and -independent apoptosis through ubiquitylation of cFLIPL.2021
Author(s)
Nakabayashi O, Takahashi H, Moriwaki K, Komazawa-Sakon S, Ohtake F, Murai S, Tsuchiya Y, Koyahara Y, Saeki S, Yoshida Y, Yamazaki S, Tokunaga F, Sawasaki T, Nakano H.
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Journal Title
communications biology
Volume: 80
Pages: 1-19
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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