2021 Fiscal Year Research-status Report
The effects of anesthetic agents on cerebral blood flow and cerebral matabolic ratio by near infrared spectroscopy
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20K09235
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
吉谷 健司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (30524029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月永 晶人 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (80867523)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳血流 / 麻酔薬 / 脳酸素代謝率 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は頸動脈狭窄症患者に対する頸動脈内膜剥離術(Carotid endarterectomy: CEA)、胸部大動脈瘤患者に対する頸動脈バイパス手術を伴う胸部大動脈ステントグラフト内挿術(debranch thoracic endvascular aortic repair: debranch TEVAR)を行う症例で局所脳血流(rCBF)を測定した。rCBFはインドシアニングリーンをトレーサーとして近赤外線分光法を用いてFickの原理による最大血中濃度法により算出した。動脈血成分は濃度変化の脈波成分を周波数フィルターを用いて抽出して勾配を求めた。頸動脈遮断前、頸動脈遮断5分後、頸動脈遮断解除後の3点で遮断側、非遮断側で局所脳血流を記録した。CEAは昨年度からの累計25名、debranch TEVARは累計30名のデータを収集しデータの中間解析を行った。本研究の目的は、頸動脈遮断中に吸入麻酔薬(セボフルラン、デスフルラン)と静脈麻酔薬(プロポフォール、レミフェンタニル)で脳血流に影響があるかを検討することであるが、3点の時系列データとして線形混合効果モデルを用いて、麻酔薬の種類による交互作用があるかどうかを検討した。 頸動脈遮断側ではrCBFは遮断前(49.0±30.5 ml/min/100g)から遮断中(36.2±27.8 ml/min/100g)へと有意に低下した(P<0.001)が非遮断側では遮断前(49.9±35.0 ml/min/100g)から遮断中(56.7±30.8 ml/min/100g)へと有意な変化は見られなかった。 また、遮断側では頸動脈遮断中のrCBFは吸入麻酔薬(33.8±19.2 ml/min/100g)と静脈麻酔薬(37.9±32.7ml/min/100g)で有意な差はなく、交互作用も有意ではなかった(p=0.230)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は目標症例数の8割まで到達した。あと、吸入麻酔薬、静脈麻酔薬の比較はセボフルラン、デスフルラン、プロポフォール、レミマゾラムの層別解析を行うために症例の蓄積が必要であり、解析後は学会発表、論文化を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、レミマゾラム、デスフルランの症例を追加して層別解析を行う予定である。症例は10月までの登録として、以後は解析を行う。中間データの解析結果はアメリカ神経麻酔学会で報告する予定である。 静脈麻酔と吸入麻酔の頸動脈遮断中の脳血流量の変化については論文化を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により旅費の支出はなかった分を、実験及び研究物品費の支出に充てる結果となった。業者の手違いにより見込み納品日が当初より延期となり、次年度使用額が生じることとなった。
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Research Products
(7 results)