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2020 Fiscal Year Research-status Report

The efficacy and potential mechanisms of rho-kinase inhibitor in postoperative cognitive dysfunction

Research Project

Project/Area Number 20K09237
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

木村 哲  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (00312702)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords術後認知機能障害 / Rhoキナーゼ阻害薬
Outline of Annual Research Achievements

術後認知機能障害(POCD)は手術・麻酔を契機として発症する高次脳機能障害であり、医療費増大、死亡率増加を招く。高齢者の手術件数増加に伴い、今後急増することが懸念される。POCDの発症には神経炎症による血液-脳関門(BBB)の破綻が深く関与する。Rhoキナーゼ(ROCK)というタンパクリン酸化酵素は、血管平滑筋収縮、細胞骨格制御、各種細胞の形態変化・遊走など種々の生理的機能に関与するが、ROCKの過度の活性化は、冠動脈・脳動脈攣縮のほか、多発性硬化症、気管支喘息といった炎症性疾患や脳梗塞・心停止などによる虚血性脳傷害に関与する。虚血性脳傷害にROCK活性化が関与することから、実験的脳虚血モデルにおいてRhoキナーゼ阻害薬であるファスジルの神経保護効果が検討され、優れた脳保護効果が確認されている。ファスジルの脳保護効果の機序として、血管内皮細胞障害とそれに伴う炎症性細胞の血管外遊走抑制、BBB損傷抑制の関与が示唆されている。
本研究では老齢ラットを用いて、ファスジルが全身麻酔・手術後のPOCDを抑制するか否かを検討し、さらに脳内炎症やBBBの変化に及ぼす影響から、その機序の一端を明らかにすることを目的としている。
本年度は、全身麻酔・手術後のPOCD発現を確実に引き起こす手術術式を検討した。交付申請の時点では脛骨骨折手術を予定していたが、POCDを確実に引き起こすには侵襲が不十分であることが判明し、検討を重ねた結果、肝部分結紮術を行うこととした。また、脳内炎症及びBBBの変化の評価方法についても検討し、海馬炎症性サイトカインの定量、エバンスブルー漏出量測定、MMP-9発現量定量に加えて、脳重量のWet/Dry比の測定を加えることとした。以上の通り実験モデルが確立したので、令和3年度はデータの取得を開始する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実績の概要に記した通り、交付申請時に予定していた手術ではPOCDを確実に引き起こすことができず、術式の再検討が必要となったため、本年度は研究データの取得に至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

研究実績の概要に記した通り、実験モデルは確立したので令和3年度はデータの取得を開始する予定である。また脳内炎症及びBBBの変化の評価項目を追加し、ファスジルの効果をより多面的に検討していく予定である。

Causes of Carryover

上述の通り、本年度は予定していた通りにデータを取得することができなかったため、ラットや薬品等の購入額に予定額との差異が生じてしまった。令和3年度は、次年度使用額を活用してデータ取得を加速していく予定である。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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