2020 Fiscal Year Research-status Report
SGLT2阻害薬による心筋虚血再灌流傷害に対する心保護効果の機序解明
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20K09246
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 伊津子 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10404245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SGLT2阻害薬 / 心筋スタニング / 心筋虚血再灌流傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
SGLT2阻害薬エンパグリフロリジンが心筋虚血再灌流障害からの回復に与える影響について検討するために実験を行った。コントロール群とSGLT2阻害薬エンパグリフロリジン群に分けた家畜ブタ(30㎏前後)に全身麻酔下に気管切開を行い人工呼吸器を装着し、胸骨を切開し心臓を露出し、頚動脈ー左前下行枝バイパスを作成した。このバイパス回路を12分間遮断し90分間解除し左前下行枝灌流領域を虚血及び再灌流させることで、心筋虚血再灌流モデル(スタン心筋モデル)を作成した。虚血再灌流部位に一対の超音波クリスタルを植え込み局所心筋短縮率(%SS)測定し、心筋収縮力の指標とした。それぞれの群で、%SS、循環動態(心拍数、左室圧収縮期圧、左室拡張終期圧、最大左室内圧上昇速度、平均冠灌流圧、冠血流量)などの循環動態及び血糖の測定を行った。 1.コントロール群 当日は絶飲食の状態で麻酔を行い、前述の様にスタン心筋モデルを作成する。左前下行枝灌流領域を12分間虚血とし90分の再灌流を行う。その間測定ポイントで循環動態や血糖の測定を行った。虚血部位の局所心筋短縮率(%SS)は虚血前をベースラインの100%とすると、虚血中は約-20%と奇異生性収縮を認めたが、再灌流後は徐々に改善し、90分後で約40%まで回復した。 2.SGLT2阻害薬エンパグリフロリジン群 麻酔開始前にエンパグリフロリジンを経口投与。2時間後にスタン心筋モデル作成する。左前下行枝灌流領域を12分間虚血とし90分の再灌流を行う。その間測定ポイントで循環動態や血糖の測定を行う。SGLT2阻害薬エンパグリフロリジン群のデータ収集中であり、解析はまだ行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により、病院での臨床業務に専念する必要が生じ、当初予定の研究時間が確保できない期間があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は計画通りに実験を行う。SGLT2阻害薬群の症例のデータを収集する。ある程度結果がそろったら成果報告を行う。
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Causes of Carryover |
実験できる時間が取れなかったため実験動物の購入を行わなかった、また学会がweb開催となり旅費がかからなかったため次年度使用額が生じた。この費用は実験動物の購入費と試薬購入費に充てる。
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Research Products
(2 results)