2023 Fiscal Year Research-status Report
新たな近位超音波ガイド下閉鎖神経ブロック法の開発と磁気刺激による筋電図評価の検証
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20K09248
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
内野 哲哉 大分大学, 医学部, 講師 (70423697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 真弘 大分大学, 医学部, 講師 (50199957)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 閉鎖神経 / 閉鎖神経ブロック / 造影検査 / 磁気刺激 / 筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、閉鎖神経ブロックにおける臨床試験、造影試験、磁気刺激試験によりブロック効果の客観的評価を行い、より正確に閉鎖管内へ注入することが可能な閉鎖神経ブロック法の開発を主な目的としている。 令和3年度まで、我々は30名の被験者から得られた生体MRIデータを元に超音波画像解析を行い、新たな超音波ガイド下閉鎖神経ブロック近位法を考案した。 令和4年度は、それまで得られた知見を基に、新たな超音波ガイド下閉鎖神経ブロックの臨床応用を目的とした臨床試験を行った。経尿道的膀胱腫瘍切除術を受ける際、術中の大腿内転筋反射予防を目的とした閉鎖神経ブロックを必要とした患者70名を対象に閉鎖神経ブロック施行前後の内転筋力を測定するとともに、ブロックに局所麻酔薬に造影剤(オムニパーク240)を混ぜた混合液を注入し、X線撮影による薬剤伸展度の判定を行った。さらに一部の患者では、下腹部に円形磁気刺激用コイルを置き、マグスティム200で磁気刺激を加えた上で、サブダーマル針付き電極装着下での大腿内転筋群(長内転筋、大内転筋)の筋電図測定を行い、ブロック前後での波形変化を検討した。その結果、新たな超音波ガイド下閉鎖神経ブロックの有効性と、ブロック効果の客観的評価としての造影検査並びに磁気刺激筋電図測定の有用性を明らかにすることが可能となった。 令和5年度以降は、新たなブロック法による薬液の広がりを確認するため、Theil法を用いた解剖体5献体に新法で色素注入試験を行い、解剖学的エビデンスの構築を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新たな閉鎖神経ブロック法に関する解剖学的エビデンス構築のため、Theil法を用いた解剖体に新たな閉鎖神経ブロック法による色素注入試験を追加で行う必要があるが、コロナ禍と本学の解剖実習室の工事の影響により研究に大幅な遅れをきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
新法におけるエビデンス構築を目的とした基礎研究として、Theil法を使用した解剖体において、閉鎖管周囲の薬液の伸展様式を調査するため、ICG(インドシアニングリーン)の閉鎖管浸潤動態をPhotpdynamic Eye (PDE)システムを用いて蛍光イメージング解析するとともに、①筋間中隔での色素進展域②閉鎖神経本幹への色素の到達度、③到達薬液の閉鎖管内への進展状況の組織学的電顕的検索(SEM、TEM)を精査する。 臨床試験、基礎研究の結果については年内にまとめ、学会発表、論文作成を予定している。
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Causes of Carryover |
現在、当施設における解剖実習室が工事中であり解剖体を使用した研究ができない状況である。工事終了次第、解剖体を使用した新たな閉鎖神経ブロック法におけるエビデンス構築の最終段階のため、Theil法を使用した解剖体による研究を再開する計画である。その際、Theil法の解剖体保存液、閉鎖管周囲の薬液の伸展様式を調査するためのICG(インドシアニングリーン)の購入とPhotpdynamic Eye (PDE)システムのレンタル費用が必要となる。また、到達薬液の閉鎖管内への進展状況の組織学的電顕的検索(SEM、TEM)にかかる経費も必要となる。 さらに研究結果の学会発表、論文作成・発表にかかる費用も必要である。
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