2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of Tmem45b in cancer-related movement-evoked pain
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20K09253
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池本 進一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (30529269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川股 知之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80336388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Tmem45b / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国でのがんサバイバー”が増加により、がん治療だけでなく、がん患者のQOL向上を重視し、がんに伴う身体症状・精神症状に対応する緩和医療のさらなる充実が求められている。中でも、痛みはがん患者のQOLに大きく影響するため最優先で緩和されるべき症状である。特に、体動時痛はコントロールが難しく、患者のQOLを著しく低下させる。しかしながら、体動時痛の機序は未だ解明されておらず、機序に基づいた有効な治療法は確立されていない。最近、申請者の教室では末梢神経に特異的に発現する新たな痛み関連分子Tmem45bが機械性痛覚過敏に重要な役割を果たしていることを見出した。本研究では、がん痛モデルを用いてTmem45bのがん性痛、特に体動時痛における役割を解明することを目的とした。令和2年度は、足底がん移植モデルの作成と野生型マウスでの行動解析と腫瘍増殖の経時変化を検討した。雄性C57BL/6マウスの足底に腫瘍を移植し、腫瘍移植前、移植1・2・3週間後に、自発痛関連行動(足振り行動(flinching)や足舐め行動(licking))、機械性痛覚過敏(Von Frey filamentによる足底への刺激に対する逃避閾値)、熱性痛覚過敏(熱輻射装置を用いた足底への侵害熱刺激に対する逃避潜時)、および体動時関連行動(立位時・歩行時の患肢使用状況、および単位時間あたりの運動量)を評価した。また、同時に腫瘍の体積をplethysmometerで測定した。その結果、疼痛関連行動は、腫瘍移植2週目から明らかとなり、経時的に増強した。腫瘍は、移植2週目から急激に増大した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、1.痛み行動評価と腫瘍増殖の経時変化と2.末梢神経でのTmem45b発現変化を検討する予定であった。しかしながら、行動解析に時間がかかったため2については年度内に終了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢神経でのTmem45b発現変化についてはサンプルは収集しており、解析は令和3年度の研究計画に含めて行う。遅れる場合には、研究補助員の協力を得て進める、
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Causes of Carryover |
物品について、予定よりも安価な物品を購入したため。
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