2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of analgesia monitor based on electroencephalogram
Project/Area Number |
20K09257
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
萩平 哲 関西医科大学, 医学部, 教授 (90243229)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 脳波場胃コヒーレンス / 侵害入力 / 麻酔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳波のバイスペクトル解析から得られるパラメータから麻酔中の侵害入力の有無を評価できるかどうかを明らかにしようとしている.バイスペクトル解析とは周波数解析で得られた2つの周波数成分間の非線形的相互作用(QPC; quadratic phase coupling)の程度を調べる解析法である.QPCの程度を示す指標はバイコヒーレンスと呼ばれる.揮発性麻酔薬や静脈麻酔薬であるプロポフォールによる麻酔中の脳波のバイスペクトル解析では周波数-周波数平面上の対角線付近の4Hzあたりと10Hzあたりに2つのピークが生じる. 2022年度までに,倫理委員会の承認を得た後50例の全身麻酔症例について研究を行いデータを収集を終了している. 本研究では,2つのピーク高(pBIC-lowおよびpBIC-high)のいずれか(もしくは両方)が5分間に10%以上低下した場合(プロトコル1)および,いずれか(もしくは両方)が20%未満となった場合(プロトコル2)にフェンタニル1μg/kgを投与し,5分後の変化を観察することとしていた.フェンタニル投与のトリガーとなった時のパラメータ(pBIC-low, pBIC-high)の変化を解析したところ,プロトコル1ではpBIC-low, pBIC-highともフェンタニル投与後にこれらの有意な上昇を認めたが,前値よりは低い値となった.プロトコル1の条件では前値はlocal peakとなっていることが前値に復帰しなかった理由と推察している. 一方,プロトコル2ではフェンタニル1μg/kgの投与により前値に復帰した. それぞれの条件とトリガー別に,同じポイントでの収縮期血圧,心拍数,BIS値を比較したが,いずれの場合にも変化は認められなかった. これらのことから,pBIC-low,pBIC-highは麻酔中の鎮痛の指標として利用できることが示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メインの研究はデータ解析を終え,論文執筆中であり2023年度中のacceptを目指しているところであるが.サブの研究である小児での研究がやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在執筆中の論文の2023年度中のacceptを目指すと同時に,小児での研究を進めてい
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響で学会出張が少なかったことから旅費の使用が少なかったが,2023年度は学会出張が以前のように戻ると考えている. また論文執筆途中であり,今後英文校正や投稿料などに使用すること,および小児での研究を推進するにあたり消耗品を購入予定である.
|