2021 Fiscal Year Research-status Report
アスタキサンチンは敗血症性腎障害の新規治療薬となりえるか?
Project/Area Number |
20K09270
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森山 孝宏 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (20593651)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症性腎障害 / アスタキサンチン / 炎症性サイトカイン / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
アスタキサンチンが敗血症性腎障害において予防及び治療効果があるかを、動物実験を行い細胞のミトコンドリア機能を調べることで実験を行ってきた。LPSを投与したラットの敗血症モデルではアスタキサンチン投与により有意に血中クレアチニン濃度上昇を抑制しており腎保護作用が認められた。この保護作用の機序としては、炎症性サイトカインの抑制や酸化ストレスの抑制が関与していることが示された。 ミトコンドリア機能に関しては細胞代謝測定装置であるフラックスアナライザーを用いて実験を行った。腎細胞にLPSを添加すると基礎酸素消費量及び最大酸素消費量ともに増加していたがATPの産生量に有意差は認めなかった。また活性酸素の上昇を認めたため、ミトコンドリアにおいて酸化ストレスが上昇することが腎障害へとつながっていると考えられた。 しかしながら、アスタキサンチン添加においても酸素消費量の増加抑制やATP産生量に変化は認められなかった。これはLPS作用が強すぎてアスタキサンチンの効果が発揮されてない可能性が高いと考えられた。現在、LPS濃度を低くして細胞のミトコンドリア機能を障害する最低量を検討している。またアスタキサンチンの添加濃度も色々と変えて検討することでミトコンドリア機能への関与も検討している。酸化ストレスの指標である活性酸素量はLPS添加で有意に増加し、アスタキサンチン添加はこの作用を抑制することは実験で証明されたので、LPS濃度及びアスタキサンチン濃度の検討が重要であると考え実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験では当初の予想通りアスタキサンチンの腎保護作用が示されたが、細胞のミトコンドリア機能の測定において明らかな検証ができていない。アスタキサンチンの細胞へのミトコンドリア保護作用よりもLPSのミトコンドリア障害作用のほうが強く出ていることが原因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞に添加するLPS添加濃度及びアスタキサンチン添加濃度をそれぞれ変えていくことで、アスタキサンチンの腎保護作用を証明していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症に対する診療行為等の増加に伴い多忙となり、思うように動物実験を進めることが出来なかった。 使用計画としては実験代表者が退職となり、実験継続が困難となった為、廃止申請済みである。
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