2021 Fiscal Year Research-status Report
ECPR症例における神経学的予後予測バイオマーカーの網羅的探索
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20K09283
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安部 隆三 千葉大学, 災害治療学研究所, 教授 (30375795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 孝明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20375794)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ECPR / 心停止 / 蘇生後脳症 / オミックス解析 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
心肺補助装置を用いた心肺蘇生(extracorporeal cardiopulmonary resuscitation: ECPR)の適応判断のためには,心停止中の低灌流・低酸素による蘇生後脳症の発症を,迅速に高い精度で予測する必要があるが,神経学的予後を正確に予測する方法はない.本研究では,蘇生後脳症(ヒト・動物モデル)の血漿を用い,プロテオミクス解析,ゲノム/トランスクリプトミクス解析を行うことで,蘇生後脳症の早期予後予測バイオマーカーの探索を行う. 2021年度には,① 心停止蘇生後脳症ラット実験モデル作製と血漿サンプル収集,② 蘇生後脳症患者の血漿サンプル収集,③ 血漿サンプルのプロテオーム解析の3項目について研究を進める計画であった.①については,心停止蘇生後脳症ラット実験モデルとして異なる脳虚血の程度を反映する短時間心停止群と長時間心停止群の2群を作成し,条件を至適化した上で,血漿サンプル収集を行う予定であったが,現在,実験モデル確立を目指した作業の途上にあり,血漿サンプル収集は開始していない.また②に関しては,新型コロナウイルスに対する感染防御の観点から,心停止患者に対する救急隊および医療機関での蘇生処置の手順に段階的に変更が加わったことから,患者からの検体採取プロトコールも変更せざるを得ず,まだ倫理審査承認を得られていない段階である.③のプロテオーム解析に関しては,上記①②のサンプル収集が開始できれば,解析を開始する準備が整っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に引き続き2021年度も,研究代表者が部長を務める集中治療部は新型コロナウイルス感染症診療の中心的役割を担ったことから,本研究に従事する全ての人員において臨床業務のエフォートが著しく増加し,研究業務の割合を縮小せざるを得なかった.さらに,2022年度から研究代表者が研究施設を異動することとなったため,特に検体の採取に関して積極的に推進することが困難となった.これらの結果として,2019年時点で立案した研究計画に比較すると,遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により時間的・人員的な制約を受けるだけでなく,2022年度から研究代表者が研究施設を異動したことに伴い,実験環境のセッティングに一定の時間を要すと考えられる.このため,計画の遅れを取り戻して2022年度で研究を完了することは困難と思われるが,研究環境の整備を着実に進めることによって,当初の研究計画における2020・2021年度の部分を実行することは可能であると考えられ,研究の進捗は期待できる.2022年度に計画していた内容については,補助事業期間延長承認申請を行って2023年度に実行する計画とする.
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Causes of Carryover |
2020年度に引き続き2021年度も,当院および当部門は新型コロナウイルス感染症診療の中心的役割を担ったことから,本研究に従事する全ての人員において臨床業務のエフォートが著しく増加,研究業務の割合を縮小せざるを得なかった.このため,③ 血漿サンプルのプロテオーム解析を開始しておらず,これに使用予定であった物品費(2020年度1,000,000(円),2021年度1,000,000(円)),および人件費(2020年度200,000(円),2021年度200,000(円))を,2022年度に使用するよう計画を変更した.研究計画時点で2022年度に使用予定であった900,000(円)に関しては,【今後の研究の推進方策】に記載した通り2022年中の執行は困難と考えられるため,補助事業期間延長承認申請を行って,2023年度に執行する計画とする.
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