2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of drug quantification method in blood by a simple visible spectrometer
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20K09299
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
辻川 健治 科学警察研究所, 法科学第三部, 主任研究官 (50356193)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カフェイン / 血中濃度 / イムノクロマトグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、若年者の間でカフェイン中毒が急増している。カフェイン中毒の重症例では、血液透析も含めた高度な全身管理が必要となる。カフェイン中毒の重症度の判定において、血中カフェイン濃度は優れた指標であり、15μg/mL以上で中毒域、80μg/mL以上でとみなされている。しかしながら、カフェインの血中濃度を機器分析により迅速に定量できる医療機関は限られていることから、簡便・低コストなカフェインの血中濃度判定法の開発が求められている。 そこで、市販尿中カフェイン用イムノクロマトプレート(商品名CAF Rapid Test Cassette (Urine)、以下CAFキット、公称カットオフ1μg/mL)に着目した。試料血をPBSで適当な倍率に希釈後、CAFキットに滴下し、バンドの有無を判定することで、おおよそのカフェインの血中濃度の判定ができないか検討した。その結果、血清をPBSで20倍および100倍に希釈し、バンドの有無を評価することで、カフェインの血中濃度が中毒域以下、中毒域、致死域のいずれかを判定することが可能であった。解剖血4例(2例はカフェイン濃度が致死域(150μg/mL以上)、残り2例はカフェイン中毒ではない)に対し上記方法で検査を行ったところ、カフェインの血中濃度を正しく判定できた。以上の結果から、本検査法は、救急医療や法医解剖の現場において、カフェイン中毒か否かを判断する上で有用な方法であると判断された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カフェイン血中濃度の迅速判定法の開発が順調に進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
各種薬物中毒の取扱い件数が最も多いであろう、2次救急病院においても検査可能となるよう、本検査法のキット化を図る。また、バンドの有無を客観的に判定できるようにするため、スキャナによる画像取り込み及び画像処理法を検討する。
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Causes of Carryover |
全体的に試薬代が安価であり、また、国内学会もオンライン開催あるいは近傍で開催されたため、旅費の支出が少なかったため。
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