2022 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症の炎症最適化のためのマーカーと分子病態分類の解明:HIVEP1の臨床応用
Project/Area Number |
20K09304
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋津 岳士 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50196474) [Withdrawn]
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症における過剰な炎症は致死的な多臓器障害をきたす。これまで、敗血症の治療のための抗炎症治療薬は全て治療効果を示せず、失敗に終わっている。炎症 は生体防御に必須の反応であり、必要な炎症をコントロールする“炎症の最適化“が重要である。申請者は、ヒト免疫不全ウイルス1型領域結合タンパク質 (HIVEP1)が炎症反応に重要な転写因子NFκBのブレーキ機能を担うことを明らかにしてきた。ブレーキ機能は生体が持つ炎症制御機能であり、生体防御に必要 な 炎症を反映しうる。本研究では生体防御に必要な炎症を反映しうるHIVEP1を用いて、敗血症における“炎症の最適化“のための指標を開発する。本研究では、以下の3点に焦点を当てる。1点目は、HIVEP1遺伝子発現が炎症最適化のための新たなマーカーとなるかどうかを評価する。2点目として、敗血症患者の血液検体を用いてRNAシークエンスを行い、HIVEP1遺伝子発現に基づいた新規分子病態分類(HIVEP1型エンドタイプ)を明らかにする。3点目として、HIVEP1型エンドタイプの鑑別マーカーを開発する。現在、敗血症患者の全血液検体を用いたRNAシークエンスデータを解析し、結果をまとめるている。これらのデータ解析により、HIVEP1遺伝子発現と敗血症患者の炎症状態との関連性が明らかになることが期待される。また、HIVEP1型エンドタイプが患者ごとに異なる病態を示すことが判明すれば、より適切な治療方法や薬物選択、さらには予防治療開発に繋がる。
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