2021 Fiscal Year Research-status Report
抗腫瘍血管新生薬新規創薬のためのiPS細胞などを用いたドラッグリポジショニング
Project/Area Number |
20K09320
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高柳 俊作 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90406489)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍血管新生 / iPS細胞 / ドラッグリポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者(高柳)は、有望ながん治療の標的である腫瘍血管新生が旺盛な血管芽腫の統合的ゲノム解析を行ってきた。(Takayanagi S et al Neuro Oncol 2017) また、当科のVHL病症例などからVHL病特異的iPS細胞を樹立し、そこから、血管芽腫の細胞モデル作成にも関与した。本研究では、まず、血管芽腫検体・モデル細胞の更なる網羅的ゲノム解析を行い、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行う。次に、血管芽腫モデルに対して、東京大学創薬機構の化合物ライブラリーを用いて、ドラッグリポジショニングを行う。以上より、新規の腫瘍血管新生抑制療法を構築する事が、本研究の最終目標である。2020年度は、当院の血管芽腫16手術検体を用いて、VHL遺伝子のintron部分を含んだtarget sequenceを主に行った。2021年度では、当院の血管芽腫瘍20検体を用いて、網羅的メチル化解析も行った。この際、メチル化データでコピー数解析を行うと、コピー数異常の蓄積が悪性転化に関与している可能性も示された。今後は、追加された網羅的メチル化解析データを用いて、血管芽腫検体のクラスタリングなどを行い、サブグループを同定して更なる病態解明に努める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、まず、血管芽腫検体・モデル細胞の更なる網羅的ゲノム解析を行い、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行う予定であった。最近の研究において、VHL遺伝子の本来intronと思われる部分に病的な変異が見つかる事が報告された。(Marion et al.blood,2018) そのため、当院の血管芽腫16手術検体を用いて、VHL遺伝子のintron部分を含んだtarget sequenceを主に行った。多くの症例で、VHL遺伝子のexon部分の変異を認めたが、intron部分の変異は認めなかった。未だに有力な新規原因遺伝子候補が得れていない状況であり、研究の進捗状況としては遅れているといえる。しかし、今年度は、血管芽腫検体に対して網羅的メチル化解析を追加して行っており、その際、コピー数異常の変化が悪性転化に関与している可能性が示されたため、新たな知見も見出されている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の進捗状況でも述べたように、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行っているが、未だに有力な新規原因遺伝子候補が得れていない状況である。原因の一つとして、血管芽腫の腫瘍率の低さがあるかと思われる。今回のTarget sequenceを行った事で、血管芽腫の腫瘍率が大変低い事がわかった。今後は、エクソーム解析やシングルセル解析などを行う必要があると考えられた。また、網羅的メチル化解析も追加して行っており、血管芽腫検体をクラスタリングなどを行い、サブグループを同定して病態解明に努める予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、さらなる病態解明のために、メチル化解析のデータ解析などを行ったが、残余金が生じた。来年度は、より高額なexome解析やシングルセル解析などを行う予定である。
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Research Products
(7 results)