2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K09323
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平松 久弥 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70447803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 佳宣 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10829716)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植物性エストロゲン / Equol / エストロゲン受容体β |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究においてエストロゲンと脳動脈瘤との関連から、エストロゲン補充につながる植物性エストロゲンが脳動脈瘤に影響を与えるか検証を行い、メスマウスを用いた閉経モデルにおいて植物性エストロゲンであるEquolを投与することで脳動脈瘤形成が有意に減少することを確認した。続いてEquolは腸内細菌を介して大豆の成分であるイソフラボンから代謝されることから、我々はイソフラボンであるDaidzeinを食餌に添加することで脳動脈瘤形成を有意に抑制されることを確認した。以上のことからEquolが非常に重要な役割を担っていることが今までの実験で検証できた。 次にEquolが炎症性サイトカインの産生を抑制することで血管保護効果があることを確認するため、Equol投与群とVehicle投与群においてマウス脳血管を採取してRT-PCRによるmRNAの発現量を検証した。主要な炎症性サイトカインのうちInterleukin-6が有意に減少を示した。さらにIL-1βおよびTumor Necrotic Factor-α(TNF-α)が有意差はなかったものの減少傾向を示した。以上よりEquolは脳動脈瘤モデルにおいて炎症性サイトカインの発現を抑制することで脳動脈瘤の形成を抑えることが考えられた。 Equolが作用する部位としてエストロゲン受容体βが考えられているが、我々はエストロゲン受容体β欠損マウス(ERβKO)用いて実際にEquol投与により脳動脈瘤に影響を与えるか検証した。Equol投与群およびVehicle投与群において明らかな脳動脈瘤形成および破裂に有意差は認めなかった。以上よりERβ受容体を介して上記炎症性サイトカインを抑制していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ERβKOマウスを用いたEquol投与実験に関して仮説に基づいた実験結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
組織学的に脳動脈瘤壁周囲への炎症性細胞の浸潤が起こっているか検証を行う。これらの組織学的な検証が上記のメカニズムの裏付けとなると考察される。
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