2021 Fiscal Year Research-status Report
神経膠腫の二重微小染色体による診断法とLiquid biopsyの開発
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20K09324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有田 英之 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (60570570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 徹 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20792469)
木下 学 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (40448064)
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (80344175)
木嶋 教行 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80534627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経膠腫における様々な遺伝子異常や臨床像と二重微小染色体を比較検討するため、外科手術前に研究参加の同意取得が得られた成人症例を対象に臨床サンプルと診療情報の収集を行った。腫瘍標本より抽出したDNAを用い、遺伝子解析を行った。遺伝子異常としては、IDH1、IDH2、 H3.3遺伝子、TERTプロモーター、BRAF、TP53等を直接シークエンスで評価した。また、1, 7, 9, 10, 19番染色体のコピー数、PTEN, CDKN2A/B、EGFR遺伝子の増幅の有無をMLPA法で評価した。二重微小染色体の検出に関しては、FISH(Fluorescence in situ)法についてホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いた方法での条件検討を行っている。これらの評価を踏まえて、中枢神経系腫瘍WHO分類第5版に準拠した診断に修正を行なった。WHO分類第5版における膠芽腫でTERTプロモーター変異の頻度が58%であり、他の国内での報告と同様の結果だった。国外、特に欧米での同遺伝子変異の率は70-80%とするものが多く、膠芽腫における遺伝子異常の傾向に地域差の存在が示唆された。WHO分類第5版においてTERT変異は膠芽腫の診断項目の一つに位置付けられるが、IDH変異型腫瘍でも予後に関係していた。さらに、DNAミスマッチ修復に関わる酵素であるMLH1, MSH2, MSH6, PMS2について、免疫染色法での検討をしている。一方、臨床情報としては、年齢・性別などの臨床背景、治療内容や治療反応性、生存期間といった経過に関する情報や、MRI画像での画像特徴量などを評価・収集している。これらの情報を統合データベース化を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経膠腫の遺伝子変異の解析については概ね順調に進行しているが、二重微小染色体の解析において解析が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
二重微小染色体の検出方法について、条件検討を進めていく。判定ができたものより、順次、すでに取得できた遺伝子変異や臨床情報との比較検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
本研究では遺伝子解析における条件設定後に、多数の検体での解析が予定されている。多数検体での解析が次年度に行われることとなり、解析用試薬の購入のための使用額が次年度に繰り越されることとなった。
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Research Products
(3 results)