2022 Fiscal Year Annual Research Report
新たな神経炎症経路に着目したくも膜下出血後認知機能障害の病態解明と治療応用
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20K09330
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高瀬 創 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00549975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、くも膜下出血後認知機能障害の分子病態の一端を解明することであり、究極的には、得られた知見に基づいた新規治療開発につながる知見創出である。 2020年からの3年間で、臨床検体と関連データの回収・解析(前向き観察臨床研究)、動物を用いた疾患モデルや各種細胞実験系を用いた詳細な分子経路解析(in-vivoを中心とした基礎研究)を予定して研究を開始した。しかしながら、臨床におけるくも膜下出血治療の変化、臨床検体サンプリングにおけるリスク、施設症例数などの事情で、予定された研究計画を遂行するための症例数の臨床検体と関連データの蓄積は困難と判断するに至った。 2021年度から2022年度にかけて、予定していた基礎実験系に重点を移して研究を行っている。再現性の高い動物モデルの系を確立し、障害実験で得られたサンプルの解析と、その論文化を目指している。また、予定されたが実施が不可能であった前向き観察臨床研究を補完する研究として、既存の臨床データ・論文データを用いたリアルワールドデータ解析(後方視観察研究)を進めている。 研究期間を通じて、前述の通り、基礎実験の研究データは解析中であり未公表である。既存データを用いた関連する臨床研究については、破裂後動脈瘤のコイル単独治療において、抗血小板薬の有用性を示唆するデータについて論文化を行なった(Takase and Tatezuki et al. J Neurointerv Surg, 2022)(Takase et al. World Neurosurg, 2023)。
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