2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative treatment for glioblastoma targeting MYC family genes
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20K09338
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
瀬戸口 大毅 千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 医長 (90869926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究所長 (30359632)
井内 俊彦 千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 部長 (80370881)
末永 雄介 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 研究員 (80581793)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Monensin / Glioblastoma / Caspase2 |
Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫は最も頻度の高い中枢神経原発悪性脳腫瘍であり、5年生存率は15%程度と予後不良である。手術、放射線、temozoromideを中心とした化学療法を用いた集学的治療を行うが再発は不可避であり、新規治療薬の開発が望まれている。 膠芽腫に対する新規治療薬を決定する上で、まず、膠芽腫細胞株U87MGと、患者由来膠芽腫細胞株B367両者に対し、計445化合物による薬剤スクリーニング(5μM,6日間処理)を行った。細胞の生存率をcell count kit-8 assayで評価し、MYC/MYCN関連薬のモネンシンを選定した。これは膠芽腫に対し一般的に用いられるtemozoromideや、MYC/MYCN自身を調節する既知の化合物(JQ1)、他癌腫に用いられるCrizotinibなどと比較しても有意に高い腫瘍制御効果を認めた。 膠芽腫細胞株U87MGに対し、Monensin 10nM添加、6時間処理ののちウェスタンブロットを行うと、MYCの発現が上昇、p53とその標的遺伝子であるPIDDおよびMDM2の発現が誘導され、それらの切断も見られた。また、Monensin処理によってCaspase2の切断が誘発されており、p53/PIDD/Caspase2の正のフィードバックループの活性化が示唆された。さらに、サイクリンB1とリン酸化サイクリンB1が誘導されたことから、Monensinにより分裂期細胞死を起こした可能性が示唆された。上記経路はMYCN/NCYMの下流に作用している可能性があり、今後、膠芽腫におけるMYCN/NCYMの解析を進めていく方針としている。
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