2021 Fiscal Year Research-status Report
深在性かつ広範に跨る脳疾患部位を効果的に冷却できるハイブリッド脳冷却技術の開発
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20K09349
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井上 貴雄 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師(特命) (80513225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 達司 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (00636219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 局所脳冷却 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所脳冷却は、大脳皮質に局在する疾患部位に対して冷却デバイスを押し当てて病態制御や疾患治療を行うニューロモデュレーション技術であるが、この冷却範囲の限界を広げる方法について2つの点から検討を進めた。「冷却ニードル」と「熱伝導シート」を一デバイス化面方向と深さ方向の冷却を同時に実施するために、それぞれ性能評価試験と形状の検討を実施し、動物実験を実施する方針となった。シート状冷却デバイスについては、熱伝導シートと金属製冷却デバイスの密着度を上げることで広範囲の冷却ができることを確認した。ニードル型冷却については、金属ニードルによる冷却は小動物では冷却効果があったものの、脳が大型化するとより深い部分の冷却は困難であった。ニードルの太さやヒートパイプを用いることで熱の移動量を増やすことが必要になる。一方で、正常の脳ではなく、脳虚血のような病態脳においては、血流の低下が起きているため、大型の動物であっても深部領域まで冷却が可能であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験で想定性能を評価できていない。 試作品の改良を進めることで引き続き動物実験による評価を実施する。 また、深部冷却については、灰白質のみの冷却と白質を含む広範な冷却で効果にどのような違いがあるかを理解することも必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験での結果が不十分であるため、デバイスの改良と実験を実施する。
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Causes of Carryover |
初年度と同様に、出張の予定がなくなったため。 また、動物調達にかかる費用が抑えられたことが影響した。未使用額については、令和4年度の動物の調達費用と併せて使用する。
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