2022 Fiscal Year Annual Research Report
深在性かつ広範に跨る脳疾患部位を効果的に冷却できるハイブリッド脳冷却技術の開発
Project/Area Number |
20K09349
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井上 貴雄 山口大学, 大学研究推進機構, 准教授 (80513225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 達司 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (00636219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 局所脳冷却 / 熱伝導シート |
Outline of Annual Research Achievements |
局所脳冷却は、大脳皮質に局在する疾患部位に対して冷却デバイスを押し当てて病態制御や疾患治療を行うニューロモデュレーション技術であるが、この冷却範囲を広げるために、冷却水環流型のチタン製冷却デバイスに熱伝導シートとニードルを組み合わせたハイブリッド冷却デバイスの試作を実施した。これまでに、シート状デバイスとニードル状デバイスについてそれぞれ別々に試作を進めてきた。最終年度において、この二種類の一体化を試みた。ベースとなるチタン製デバイスのサイズは40mm角とした。このベース部分に直径100mmの領域まで冷却領域を拡大可能にするための熱伝導シートを貼り付けた。ニードル部分はベース部にニードルが貫通できるように4x3の並びで12本の貫通穴を開けて、そこにニードルを通すことで剣山状の構造とした。なお、検討を進めていた中型動物用のサイズのデバイスについては、貫通穴の作成が難航したため、ヒト用を想定した40mm角サイズの試作となった。この試作デバイスにてファントム試験を実施し、面状の冷却と深さ方向の冷却を同時に達成することができた。動物実験については、シート状冷却デバイスのみによる評価に限られたが、ネコ中大脳動脈閉塞モデルにおいて脳虚血領域の縮小効果を確認することができた。
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