2022 Fiscal Year Annual Research Report
膠芽腫に対するNK細胞と新たな免疫チェックポイント阻害の併用療法の開発
Project/Area Number |
20K09353
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60453164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 光利 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00305715)
中澤 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00772500)
西村 文彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70433331)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / NK細胞 / KIR / チェックポインント阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度においては、前年度に施行したNOGマウスの脳内にヒトGBM細胞株U87MGを1X 105細胞を移植後の治療成績を解析した。U87MGを高度免疫不全NOGマウスに脳内移植後、以下の3群に分けてNOGマウスにNK細胞 (1X106)および抗KIR抗体 を頭蓋内に直接投与し、生存期間を測定した。Group 1:対照群 (PBS投与)、Group 2:NK細胞投与群、Group 3:抗KIR抗体/NK細胞投与群膠芽腫由来細胞株移植後に抗KIR抗体/NK細胞を投与した。 結果、NK細胞単独投与群の生存期間が最も長く、対照群より有意に生存期間が延長した。 しかし、抗KIR抗体投与群では、NK細胞群単独投与と比較して有意差は認められなかったものの、逆に生存期間が短縮する傾向がみられた。 初年度から最終年度に行った実験の総括を以下にまとめる。in vitroでのU87MGおよびT98GのGBM細胞株とNK細胞を抗KIR抗体存在下および非存在下で共培養し増殖抑制効果を解析した。リアルタイムセルアナライザーの解析では、U87MGおよびT98Gの両細胞株について、 NK細胞投与群、および抗KIR抗体併用群で細胞株単独群と比較して、腫瘍増殖は抑制された。しかし、抗KIR抗体の併用を行っても、むしろ腫瘍増殖抑制効果は減弱されることが示された。当初KIRはNK細胞における抑制性受容体として知られており、免疫逃避に重要な役割を果てしていると考えられていたが、本研究で使用したKIR2DL1のみをターゲットとした治療では、有効性が示されなかった。今後さらなる解析が必要である。
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