2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫の浸潤機序解析と浸潤能を標的とした先駆的治療法の開発
Project/Area Number |
20K09359
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鰐渕 昌彦 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (30343388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 信司 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (20340549)
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
平松 亮 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (40609707)
池田 直廉 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (50434775)
古瀬 元雅 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70340560)
野々口 直助 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70388263)
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ACTC1 / glioma / glioblastoma / meningioma / ACTA2 / carcinoma / actin / molecular analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
神経膠腫の浸潤機序解明のためACTC1の機能解析を進めた。さらに高悪性度髄膜腫や他の癌種についても解析を行った。結果、ACTC1は髄膜腫のうち高悪性度のもので発現が優位に高く、浸潤に関与していること、増殖にも関与していること、臨床的には腫瘍と脳浮腫の発言にも関与していることが示された。ACTC1は悪性神経膠腫では増殖との関連はないと判断されていたが、高悪性度髄膜腫では関連ありという結果であり、今後、浸潤や遊走のみならず、増殖という観点からも研究をさらに進めていく必要性も明らかとなった。 また、ACTC1と関連し、悪性神経膠腫でのACTA2の解析も進めた。結果、ACTC1とACTA2は相補的関係があり、片方の発現が低下すると、もう一方は発現が上昇していた。また、ACTA2を標的にして解析をすると、ACTA2も遊走に関与していることが明らかとなった。現時点でわかっているのはここまでであるが、ACTC1、ACTA2の発現や機能をコントロールしている、もう一段階上位の分子があるのではないかと予想される。今後はこの分子がどのようなものであるか、解析を進めていきたいと考えている。 悪性神経膠腫、高悪性度髄膜腫のみならず、現在は肺癌や大腸癌に関しても、ACTC1の発現や遊走との関連の有無を精査中である。 以前よりアクチンアイソフォームの一つであるACTC1に着目して、神経膠腫との関連につき解析してきたが、現在は髄膜腫や脳腫瘍以外でも研究を進めており、さらにはACTC1と相補的役割を担っているであろうACTA2という別のアクチンについても解析が進んでいる。本研究が悪性脳腫瘍、さらには癌の制御、制圧に向けた光となることを願っている。
|