2022 Fiscal Year Research-status Report
膠芽腫の再発形式に関与する幹細胞マーカー発現変化の解明
Project/Area Number |
20K09363
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
園田 順彦 山形大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90302140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Glioblastoma / recurrence pattern / TERTp変異 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫の再初形式に関与する幹細胞マーカーとして我々はCD133に注目し研究をおこなってきた。結果CD133は膠芽腫の遠隔再発に関与することが明らかとなったが、同時に画像上脳室に浸潤しているものが播種を来たしやすいことも明らかになってきた。そこで、画像上、初発時より転移巣を認めたり、再発時に遠隔再発を来たす症例に注目して解析をおこなったところ、TERT promoter遺伝子の変異が上記に強く関係することが明らかとなった。しかしながらTERT promoter遺伝子の変異と幹細胞マーカーCD133の発現に相関は認められなった。 そこで、我々はTERT promoter変異以外にTERTの機能異常をきたす遺伝子の異常を解析するためにTERTプロモーターのメチル化に着目して解析をおこなった。結果、TERTプロモーター変異群81例においてはTERTプロモーターのメチル化は再発形式・予後に明らかな影響を来たさなかったが(全生存期間中央値 低メチル化群16か月、高メチル化群15か月)、TERTプロモーター野生型群46例においては全生存期間 中央値 低メチル化群 30か月、高メチル化群18か月と有意差をもって低メチル化群が延長した。ただし、TERTプロモーターの低メチル化群がTERTの発現が高メチル化群に比較して低いという結果は得られず、予後良好な原因は不明である。また膠芽腫の強い予後因子であるMGMTのメチル化はTERTプロモーター変異型では予後因子であるが、野生型では予後因子とならなかった。これはTERTプロモーター野生型が浸潤性が低いことを示唆する所見と考えるが、幹細胞性との関係は明らかではなく今後の検討課題と考えられた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ解析は終了しているが、結果の公表が遅れているため
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大により学会が遅延し、発表が遅れていたが、今後論文作成を行い成果を発表する予定である
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Causes of Carryover |
学会の開催が延期になったため支出の見通しが明らかではなかった。
論文作成費用に計上する計画である
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Research Products
(3 results)