2021 Fiscal Year Research-status Report
膠芽腫に対するアミノ酸代謝阻害併用ケトン食療法の基礎的研究
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20K09369
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (10379399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏知 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10569239)
西原 賢在 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)
田中 一寛 神戸大学, 医学研究科, 講師 (70467661)
篠原 正和 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80437483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | glioma / ketogenic diet / glutaminase inhibior |
Outline of Annual Research Achievements |
87、SVGp12グリオーマ細胞をを10cm dishで培養し、グルタミナーゼ阻害剤(GLSi)を10μM投与したものと、していないもので48時間後、96時間後の細胞増殖抑制効果を検討した結果、2つの細胞で増殖が抑制され、生存細胞割合が低下していた。また、グルタミナーゼ阻害剤に化学療法薬であるテモゾロミドを投与して併用効果を検討した結果、併用群の方は細胞生存割合が低下していた。特にT98細胞とU87Viii細胞で効果が著明であった。また、グリオーマ細胞にグルタミナーゼ阻害剤と血管新生阻害剤を投与して生存割合を検討した結果、併用しなかったものと比べて有意な差は認めなかった。以上より、グルタミナーゼ阻害剤は、抗がん剤のテモゾロミドとの併用でより効果があることが分かった。 次に、U87膠芽腫細胞をヌードマウスの脳内に移植し、ケトン食を摂取させると、通常の食事に比べて有意では無かったが、生存期間が延長した。ケトン食を投与したマウスの腫瘍内代謝物をGC/MSを用いてメタボローム解析を行うと、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリン、スレオニン、メチオニン、バリン等のアミノ酸が著明に上昇していた。これは、グルコースを低下させているのでアミノ酸の取り込みが亢進し、アミノ酸代謝が亢進していることが示唆された。腫瘍組織を採取して細胞分裂の指標であるKi-67indexを調べると、ケトン食と通常食では有意な差を認めなかった。脳腫瘍移植マウスにケトン食に加えグルタミナーゼ阻害剤のGLSiを腹腔内投与するとマウスの生存期間は有意では無かったが、コントロールに比較して若干生存期間の延長を認めた。 今後、マウスの数を増やして検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膠芽腫の脳腫瘍移植マウスにケトン食を投与し、さらにグルタミナーゼ阻害剤を併用してマウスの状態および生存期間を検討することが出来た。マウスはグルタミナーゼ阻害剤を投与しても副作用なく生存し、ケトン食を摂取できることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍移植マウスを用いて、ケトン食療法とグルタミナーゼ阻害剤を併用し、腫瘍内代謝、腫瘍組織の変化、免疫状態などについて検討する予定である。
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Research Products
(7 results)