2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel direct reprogramming method realizing safe and highly efficient induction
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20K09370
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 徹 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60644408)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / ダイレクトリプログラミング / iN細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで培ってきたダイレクトリプログラミング技術を脳梗塞のみならず神経変性疾患など多様な神経疾患への治療応用へ展開することが目的である。計画している具体的な研究項目は、①低侵襲な経静脈的投与による脳内への遺伝子導入技術を確立し、その治療効果を実証する②3つの異なる遺伝子を1つのウイルスベクターで遺伝子導入を可能とするポリシストロニックベクターの構築と利用 の2つである。
2021年度は①の治療効果を実証するために以下の2つの実験を行った。まずウイルス導入の最適なタイミングを検討するために、脳梗塞モデルマウスを作成し、術後3,7,14日後にそれぞれAAV(PHP.eB)-pGFAP-mCherryベクターとAAV(PHP.eB)-pGFAP-CasRx-ptbp1ベクターを経静脈的に投与を行った。3週間後に取り出した脳から切片を作成し、上記のmCherryタンパク質と未成熟神経細胞マーカー(Doublecortin, NeuroD1)による蛍光二重染色を行った結果、最適な投与のタイミングは虚血後7日目であることが判明した。次に脳梗塞モデル(計30匹)を準備し、①AAV(PHP.eB)-pGFAP-mCherryベクターとAAV(PHP.eB)-pGFAP-CasRx-ptbp1ベクター、②AAV(PHP.eB)-pGFAP-mCherryベクターとAAV(PHP.eB)-pGFAP-CasSgベクター(コントロールベクター)、③同量の溶媒HBSSを虚血後7日目に投与した。 神経症状の評価のためにBederson’s test, Corner test, Foot-Fault test, を週1回測定し、2ヶ月後にsacrificeした。 現在、病理切片を作成し、梗塞体積(Nissl染色)及びmCherry陽性成熟神経細胞(NeuN)の評価を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在既に脳梗塞モデルへの投与実験は終了しており、現在病理学的解析も順調なため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在脳梗塞モデルへのAAVベクター投与実験自体は完了している。2022年度は病理切片を作成し、梗塞体積(Nissl染色)及びmCherry陽性成熟神経細胞(NeuN)の評価、分析し、英語論文作成を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
当初の予定より病理切片作成に時間がかかったので、次年度使用額が生じた。しかしながら2022年度には脳梗塞モデルの病理学的解析をすすめるため、免疫染色をおこなうための各種抗体を購入予定であり、使用額が増える見込みである。
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