2021 Fiscal Year Research-status Report
M2マクロファージ上に発現する B7 分子を標的とした転移性脳腫瘍の発症制御
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20K09378
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
奥田 武司 近畿大学, 医学部, 講師 (10340796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転移性脳腫瘍 / 慢性炎症 / 免疫チェックポイント分子 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021 年度は肺癌血行性脳転移マウスモデルの脳組織を採取し、フローサイトメトリー法を用いてマクロファージ分画上の B7-H3 および B7-H5 発現レベルを確認した。同時に脳腫瘍組織より M2 マクロファージを単離して mRNA を抽出し、DNA マイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析を行った。さらにマルチプレックスサイトカイン測定も導入し、限定された臨床検体サンプルから相当量のサイトカイン/ケモカインデータの取得を行なっている。 他者の先行研究では肺癌細胞上に B7-H3 が発現することが示され、B7-H3 を標的とした治療薬が治験レベルで用いられるようになった。そこで我々真相学習アルゴリズムを用いた病理組織解析システム Cu-Cyto を用いて、腫瘍組織中の B7-H3 発現を解析した。上記知見と同様、一部の転移性肺癌細胞は B7-H3 を発現しており、かつ腫瘍組織に浸潤するマクロファージ上にも B7-H3 発現がみられた。 近年腫瘍組織近傍に三次リンパ節様構造物 (Tertiary Lymphoid Structures: TLS または Tertiary Lymphoid Organs: TLO) が形成され、腫瘍増殖あるいは腫瘍制御に関わることが示されている。そこで我々は Cu-Cyto システムを用いて上記腫瘍組織中での TLS/TLO を検索し、これらの発現頻度等を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で示すべきデータはおおむね取得できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022 年度は Cu-Cyto を用いて TLS/TLO の特異的マーカー検索をすすめる。確定したところで染色用抗体情報をフローサイトメトリー系に展開し、TLS/TLO に関わる細胞抽出を試みる。その後これらの細胞の機能解析を試みる。我々は TLS/TLO を構成する主要細胞として B 細胞を想定しており、これらが発現する腫瘍関連抗体の解析および TLS/TLO 関連 B 細胞と腫瘍浸潤性マクロファージとの機能的関連性を精査していく。
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Causes of Carryover |
他の研究課題と重複する実験系があり、そちらを遂行することで予備実験にかかる費用の一部が支出可能となったため。
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Research Products
(7 results)