2022 Fiscal Year Annual Research Report
M2マクロファージ上に発現する B7 分子を標的とした転移性脳腫瘍の発症制御
Project/Area Number |
20K09378
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
奥田 武司 近畿大学, 医学部, 講師 (10340796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転移性脳腫瘍 / 慢性炎症 / 免疫チェックポイント分子 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は真相学習アルゴリズムによる病理組織解析システムCu-Cyto Cu-Cytoを用いて、肺癌転移性脳腫瘍における腫瘍組織近傍に形成される三次リンパ節様構造物(Tertiary Lymphoid Structures: TLS またはTertiary Lymphoid Organs: TLO)TLS/TLO の検索を行なった。前年度はこのCu-Cyto Cu-Cytoを用いて腫瘍組織中のB7-H3発現を解析し、また肺癌細胞におけるB7-H3の発現と腫瘍組織に浸潤するマクロファージ上にも B7-H3の発現を認めた。本年度ではTLS/TLOを部分的に認める結果を得て、これらを確定したところで染色用抗体情報をフローサイトメトリー系に展開し、TLS/TLO に 関わる細胞抽出を試みた。この結果、TLS/TLOを構成する主要細胞としてB細胞が同定され、このTLS/TLO関連B細胞と腫瘍浸潤性マクロファージが機能的連携を行い、免疫構築に関連するものと考えられた。本研究の結果、肺癌原発の転移性脳腫瘍において、腫瘍内で浸潤しているM2マクロファージ、特に免疫チェックポイント分子であるB7-H3 および B7-H5は転移病巣形成に大きく貢献していることが示された。この結果より、宿主由来免疫細胞であるM2マクロファージを標的とした新たな免疫学的アプローチ、そして新規治療開発が可能と考えられた。また、これらの免疫細胞、特にM2マクロファージは脳転移病巣の発生/形成に関与している可能性が高く、この免疫系を制御可能であれば脳転移そのものを予防できる可能性も示唆される結果であった。
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Research Products
(10 results)