2022 Fiscal Year Research-status Report
脳循環変化に伴う有害事象を予測する、新たな術中モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
20K09379
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
河野 隆幸 久留米大学, 医学部, 講師 (50448536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
坂田 清彦 久留米大学, 医学部, 准教授 (90368936)
折戸 公彦 久留米大学, 医学部, 講師 (50597408)
吉富 宗健 久留米大学, 医学部, 助教 (80529462)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイパス術 |
Outline of Annual Research Achievements |
浅側頭動脈を用いた直接バイパス術などの脳血行再建術は、もやもや病の虚血症状の改善に有用であることが証明されており、また脳出血の二次予防に関しても有効性が報告されている。一方、血行再建術後には過灌流や一過性神経症状の出現が報告されており周術期管理は厳格に行われる必要がある。 周術期合併症は脳血行再建術の重要な予後因子となり、その発生を検討した解析では、その原因は技術的な問題ではなく、対象患者のhemodynamic fragility と手術侵襲のため、つまり手術適応の選択や周術期管理の問題とされている。 研究者らは直接バイパス術中の吻合前後で脳表の静脈の色調が変化することを見出し、吻合術後に静脈がred vein化する症例は、術後の脳梗塞発症のリスクになることを報告している。このことより、バイパス術後の脳表や静脈などの色調の変化を客観的に評価し、術後の脳梗塞や過灌流などの有害事象の予測に利用することができるかを明らかにする。 本研究における脳表や静脈の色調の変化を測定するには、分光色彩照度計を使用した。開頭術において脳表の色調の数値化を行った。色調測定には多くのパラメータ、照明のセッティングの統一などが必要であった。手術室の照明の設定、分光光度計の設定は6000Kで行うことが、色調のR9においてその差が最も検出される設定であることが明らかとなった。さらに、手術室でのイメージングでは色調測定のパラメーターを一定にしてもなかなか安定した結果を得ることが難しかった。これは、照明などの設定を一定にしても分光光度計の性質上、どの範囲の光度を測定しているか曖昧となることが推測された。 そのため、直接術野を撮像する方法ではなく、術中動画をコンピューターのモニターディスプレイに出力しその画面を測定する方法を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例により期待される結果と、分光光度計の結果に乖離がある、分光光度計の結果のばらつきが多く、画像解析システムの再構築を図っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな解析方法を見出して、症例の経過との関連を検討する。 症例の画像は蓄積されているため、パラメータや解析条件が決定すると以後の解析はスムースに進むことが期待される。
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Causes of Carryover |
動物実験を行う必要がなかったため、必要経費が少なかった。
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