2022 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell combined with scaffold for treating chronic cerebral hemorrhage
Project/Area Number |
20K09382
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川堀 真人 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50399870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七戸 秀夫 北海道大学, 大学病院, 教授 (80374479)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳出血 / 間葉系幹細胞 / 腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】慢性期脳出血の患者の神経機能を改善する治療法は確立していない。我々は脳出血後の血腫腔内に投与することを企図し、骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)と足場材から成る合材(CellSaic)を開発し、慢性期脳出血に対するCellSaicの効果および作用機序を検証した。 【方法】CellSaicは、ラット/ヒトBMSCと、細胞接着作用を持つペプチドと共培養し作成した。In vitroとして、低酸素低栄養負荷(OGD)環境でBMSC単独およびCellSaicを培養し、栄養因子分泌能/細胞増殖能を検討した。In vivoとして、SD/免疫不全ラットにコラゲナーゼ/ウアバインを用いて脳出血を作成した。1~2週間後に血腫が吸収された段階で、空隙内にCellSaic、BMSC、生理食塩水いずれかを投与し、神経機能評価および組織学的評価を行った。また、栄養因子分泌を抑制したCellSaicの神経機能改善効果を検討し、血腫腔周囲の栄養因子量を測定した。 【結果】OGD環境では、CellSaicの方がBMSCより栄養因子分泌能および細胞増殖能が有意に高かった。慢性期脳出血モデルでも、CellSaicの方がBMSC/生理食塩水より神経機能改善効果が有意に高く、脳萎縮率もCellSaic群で低い傾向であった。また、CellSaic群での血腫腔周囲の脳由来神経栄養因子(BDNF)量は生理食塩水群よりも有意に多く、BDNF抑制CellSaicは通常のCellSaicよりも神経機能改善の程度が小さかった。 【結論】CellSaicはBMSC単独より良好な栄養因子分泌能を有し、慢性期脳出血の血腫腔内投与に有効な投与形態であると考えられた。またCellSaicによる神経機能改善にはBDNFが関与していると考えられた。
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