2021 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤破裂におけるinflammasome活性化とsirtuinの役割
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20K09391
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
兼松 康久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90363142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 康志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40312227)
八木 謙次 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80551837)
多田 恵曜 徳島大学, 病院, 特任講師 (30547964)
島田 健司 徳島大学, 病院, 特任講師 (60624351)
高麗 雅章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (60794013)
宮本 健志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (80585000)
四方 英二 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30813315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NLRP3 inflammasome / 脳動脈瘤 / Sirtuin |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床では閉経期の女性に脳動脈瘤の発生率が高いことをもとに、当研究グループではエストロゲン欠乏による脳動脈瘤破裂モデルを独自に確立し、これまでにPCAとAcomAに特異的に脳動脈瘤破裂が誘導されることを明らかにしている。また破裂モデルにおいて、遺伝子解析や免疫組織学的解析を行い、これらの部位特異的な炎症性変化に伴い、 matrix metalloproteinase-9(MMP-9)の増加とは逆に tissue inhibitor of matrix metalloproteinase 2(TIMP2)がタンパクおよびmRNAレベルで増加しており、これらのバランスの不均衡が破裂と関係することを明らかにしている。そこで本研究ではMMP-9の増加と関係するIL-1β活性化に着目し、pro-IL-1βをIL-1βに活性化するNLRP3 inflammasomeの活性化が脳動脈瘤破裂に寄与すると仮説をたて、これに拮抗すると考えられるsirtuin (sirt1)の役割についても検討し、脳動脈瘤破裂に対する治療標的としての可能性を調べることとした。 また、脳動脈瘤破裂モデルのPCAはAcomAに比べて早期から破裂することから、PCAにおける免疫組織学的評価およびmRNAレベルでの解析を行った。卵巣摘出雌性ラット脳動脈瘤モデルにおいてPCAではエストロゲン受容体α(ERα)およびsirt1の発現低下とは逆にNLRP3の発現が増加していることを認めた。 これらの関係に関与するメカニズムを解明し、治療の標的としての役割を明らかにすることを目指すためにヒト脳血管由来の内皮細胞および平滑筋細胞を用いてエストロゲン欠乏状態でのERαおよびsirt1の発現低下およびERα modulatorを添加後のERα, sirt1の増加に反してNLRP3の減少を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究において重要である病態モデル動物は確立しており、仮設通りに病態モデルにおいてSirtuin の低下とは逆にNLRP3の増加を確認しており、研究はおおむね順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳動脈瘤破裂モデルを用いた検討に加えて、ヒト脳血管内皮細胞およびヒト脳血管平滑筋細胞を用いてsirtuin 低下作用及びNLRP3増加に関わるメカニズムを明らかにするための検討を継続して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)研究の進展状況、継続に伴い、抗体などの試薬および動物購入経費および維持・管理費などの経費とその必要期間の変更が生じたため。 コロナ禍で研究の速度が落ちたことに加え、研究室の物品の利用や、文献を入手しての計画の再検討などを行った。 (使用計画)計画の再検討を行った上で次年度の研究を、本年度分も合わせて集中的に進め、翌年度分として請求した研究費と合わせて試薬等の物品費として使用する。
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