2020 Fiscal Year Research-status Report
血管信号抑制ASLによる非侵襲脳循環測定の精度向上技術の開発
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20K09397
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
松田 豪 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (70501641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
上野 育子 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (20468317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Arterial Spin Labeling / vessel suppression / DANTE併用ASL / MSDE併用ASL / 血管信号抑制ASL画像 / 信号ノイズ比 / 血管信号抑制効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
Arterial Spin Labeling (ASL)法で、Delay Alternating with Nutation for Tailored Excitation (DANTE)法とMotion Sensitized Driven Equilibrium (MSDE) 法の2種類の血管信号抑制パルス(vessel suppression: VS)による信号抑制効果を、T1値が約1500msecのフローファントムにて確認した。 MSDE併用ASLではb値を[a] 5.42と [b] 0.27(s / mm2)に設定した。DANTE併用ASLでは、DANTEパルスを背景抑制パルスの直前に印可する場合(DANTE2)は200回DANTEパルスを印可し、フリップアングル(FA)は[c]10度と[d]5度、DANTEパルスを画像収集の直前に印可する場合(DANTE4)は120回DANTEパルスを印可し、FA [e]15度、[f]10度、[g]5度の条件で撮像した。 静止部で従来法との信号強度比はそれぞれ、[a], 0.52; [b], 0.86; [c], 0.88; [d], 0.92; [e], 0.85; [f], 0.87; [g], 0.89であった。フロー部で静止部との信号強度比はそれぞれ、[a], 0.28; [b], 0.42; [c], 0.39; [d], 0.99; [e], 0.26; [f], 0.68; [g], 1.00であった。従ってVSと同等の血管信号抑制をDANTE法で得るためには、DANTE2ではFA12度程度、DANTE4ではFA14度程度であり、各々で信号ノイズ比は0.52、0.88、0.85程度になると見込まれ、DANTE法を使用することで高い信号ノイズ比で血管信号抑制ASL画像が得られる事が確認された。 DANTE2とDANTE4ではラベルパルス終了後に流入するスピンの信号強度に違いが生じと考えられる。従ってボランティアスキャンにて、DANTE2とDANTE4による血管信号抑制ASL画像の違いを確認し、どちらの方法を使用するかを決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRI撮像シーケンス開発ソフトウェアを用いて、DANTE法とMSDE法の2種類のパルスを切り替えて使用できる多時相ASL撮像シーケンスを開発した。COVID-19によりフローファントムの納入が遅れたために、静止ファントムをもちいてASL撮像シーケンスの調整を行った。フローファントムの試作後は業者とともに改良を加える事で実験に使用できるファントムに完成させた。ファントムに完成後は様々な流速と様々な撮像パラメター調整をおこない、設計時には気が気づかなかった、多時相ASL撮像シーケンスの改良も同時に加えた。 COVID-19による基礎実験の開始が遅れた時間を多時相ASL撮像シーケンスの開発に使用することで、実験の開始当初から完成度の高い多時相ASL撮像シーケンスで実験をおこなうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ファントムを使用して得られた多時相ASL画像から、CBFとLTTを算出し画像化する、ASL解析ソフトウェアの開発は、COVID-19によりフローファントムでデーターを得ることが遅れたために、この完成を第一目標とする。ASL解析ソフトウェアの完成後に2名のボランティアによる撮像条件の検討をおこない、DANTE2とDANTE4による血管信号抑制ASL画像の違いを確認し、撮像条件の検討をおこなう。その後フローファントムをもちいて撮像シークエンスの最終調整をおこなう予定である。 その後は当初の予定通りCBFの精度を検証するとともに、LTTとCVRの関係性を明らかにし、精度評価をおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19によるフローファントムの完成が遅れたために、ASL解析ソフトウェアの開発が開始できなかったために、そこで使用する予算が執行できなかった。次年度のにASL解析ソフトウェアの開発で使用する予定である。
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