2022 Fiscal Year Annual Research Report
血管信号抑制ASLによる非侵襲脳循環測定の精度向上技術の開発
Project/Area Number |
20K09397
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
松田 豪 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (70501641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
上野 育子 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (20468317)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Arterial Spin Labeling / 脳灌流画像 / 脳血流量 / 脳血液量 / ラベル到達時間 / 平均通過時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 大脳領域で多時相ASLにより算出されたASL-CBF(mASL-CBF)ならびにLTTと従来法で算出されたASL-CBF(sASL-CBF) を使用して、安静時のSPECT-CBF比と炭酸脱水酵素抑制剤であるアセタゾラミドを使用した負荷SPECT-CBF比との相関を算出した。その結果mASL-CBF法はsASL-CBFよりも高い相関となり、安静時よりも負荷時で相関は高くなった。LTTに関しては負の相関を示し安静時で相関は高くなった。 2. DANTE4を使用した多時相ASLではCBVとMTTを算出し、安静時のSPECT-CBFと負荷時のSPECT-CBFによるCVR比との相関を調べた。その結果、MTTは負の相関を示す事が判明した。 3. 以上の結果より、DANTE-ASL法は従来法のMSDE-ASL法より高い信号ノイズ比の画像を得られた。ただし、灌流画像を算出する際の画像の信号強度は、MSDE法に比べて低くなる傾向があった。これは組織内に残留したラベル血液の信号を効果的に抑制した結果と考えられた。従ってSNRが高くなる工夫を加えることで、より高い精度のASL画像が得られる可能性がある。 4. ASL-CBF とSPECT-CBF比との相関では、mASL-CBFがsASL-CBFよりも高い相関を示したのは、従来の結果同様、LTTが正常値よりも延長した部位があったためと考えらる。LTTとSPECT-CBF比との相関では、CBF比が正常と異なる部位では脳循環予備能により血管径が変化しているために、変化した血管径に応じて到達時間が変化している可能性がある。高分解能の血管壁画像も追加した検討を加えることで確認できる可能性がある。多時相ASLより算出したMTTがCVR比と負の相関を示したのは5と同様の考察ができる。相関に関してはLTTよりもMTTが高い値を示した。
|