2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜イオンチャネルの網羅的解析による関節変性疾患診断法および抑制療法の開発
Project/Area Number |
20K09407
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
熊谷 康佑 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (50649366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 晋二 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90283556)
豊田 太 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90324574)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 変形性関節症 / 細胞膜イオンチャネル / 網羅的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝関節を中心とした関節変性疾患(変形性関節症: Osteoarthritis, OAや関節リウマチ: Rheumatoid arthritis, RA)は全世界で共通の課題であり、罹患者の生活の質を著しく損なっている。そのため、軟骨再生治療やRAの病因解明については多くのアプローチにより研究がなされているが、その方法や原因は未だ解明されていない。 我々は細胞膜イオンチャネルについて研究考察を継続し、関節構成成分である関節滑膜、軟骨の恒常性維持に関与する標的チャネルの分子実体の解明、疾患特異的に関与する因子の同定と解析について検討を行ってきた。これらの解析結果を踏まえて、最終的には関節変性疾患の病態解析システムを構築し、最終的に遺伝子・細胞レベルでの新しい診断法および治療法の開発を目標とする。 現時点では滑膜に関してELISA法によるサイトカイン解析を通じてOAとRAにおける炎症の特徴について比較を行い、炎症性OA等RAとの類似点の解析を進め、その結果からいくつかの細胞膜イオンチャネルに標的を絞り、PCR法にて発現解析を継続して行っているところである。最も注目すべきチャネルとしてLRRC8 familyを関節滑膜において同定した。前年度より継続して、当院通院加療中のOAおよびRA患者よりサンプル採取を追加し、継続してサイトカイン解析、PCR等を行い、個体差の標準化に努めている。さらには、疾患修飾因子の検討のため年齢や合併疾患による患者特徴と治療薬について統計解析を継続している。以上に関しては今後の研究課題として引き続き解析を継続する予定である。
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