2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト滑膜由来幹細胞による軟骨再生治療におけるbFGFの治療促進効果についての検討
Project/Area Number |
20K09410
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 眞 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (10527708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯名 耕介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70612076)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | bFGF / 軟骨再生 / 半月板再生 / ヒト滑膜由来幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト滑膜由来幹細胞による軟骨や半月板組織の再生治療におけるbFGFの治療促進効果についての検討を行っている。現在のところ、ヒト滑膜由来幹細胞を培養・ペレット形成を行う際に、bFGFの添加あるなしの2群に分けてマウス膝関節において軟骨欠損・骨軟骨欠損モデルを作成したところに充填し経過観察を行ったところ、bFGFの添加群で有意に欠損部の軟骨基質の産生・再生が促された。また、再生領域は移植・充填したヒト滑膜由来幹細胞由来の組織であることも確認できたので、すでにコマーシャルユースが可能なbFGFの軟骨組織再生へのヒト滑膜由来幹細胞自体の大きなポテンシャルを確認することが出来ている。現在は、同じ軟骨基質を含有する半月板組織・細胞においても同様に再生の効果があるかどうかについて応用実験を進めている。確認実験では、bFGFの半月板組織の欠損・損傷部分での基質産生にヒト滑膜由来幹細胞、またヒト滑膜由来幹細胞へのbFGFの添加による促進的に作用することを確認できている。次段階として、基質産生とともに再生への能力など含め更なる検討・実験を重ねてきた。その中で新規に判明したこととして、成長因子bFGFが滑膜細胞を介して損傷半月を再生するメカニズムが、主にERKやAktシグナル系において働くケモカインCXCL6-CXCR2経路を介したものであるということが明らかになってきた。これらが活性化することによって、周囲の滑膜組織からの半月欠損部への移行、細胞増殖、軟骨細胞系への分化が促進され、結果的に半月組織の再生が促されたものとみている。bFGF添加下にてのヒト滑膜由来幹細胞塊を移植することは簡便に半月組織再生を行う一つの有用な方法と考えられた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Meniscus surface texture is associated with degenerative changes in biological and biomechanical properties2022
Author(s)
Otani S, Kanamoto T, Oyama S, Yamakawa S, Shi W, Miyazaki R, Aihara M, Oka S, Kuroda S, Nakai T, Takenaka K, Sato Y, Tsukamoto M, Tsujii A, Ebina K, Okada S, Nakata K.
-
Journal Title
Sci Rep.
Volume: 12(1)
Pages: 11977
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Semaphorin 4D induces articular cartilage destruction and inflammation in joints by transcriptionally reprogramming chondrocytes2022
Author(s)
Murakami T, Takahata Y, Hata K, Ebina K, Hirose K, Ruengsinpinya L, Nakaminami Y, Etani Y, Kobayashi S, Maruyama T, Nakano H, Kaneko T, Toyosawa S, Asahara H, Nishimura R.
-
Journal Title
Sci Signal.
Volume: 15(758)
Pages: eabl5304
DOI
Peer Reviewed / Open Access