2022 Fiscal Year Annual Research Report
ユーイング肉腫におけるマイクロRNAとDNA修復機構の治療抵抗性獲得への関与
Project/Area Number |
20K09414
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
河野 正典 大分大学, 医学部, 助教 (30571773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 和宏 大分大学, 医学部, 教授 (10274458)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Ewing肉腫 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
EWS-Fli1に特異的なsiRNAによるknock down(KD)後、有意な発現変化を示すmicroRNA (miRNA)とその標的mRNAを網羅的に解析することで、double strand break (DSB) 修復因子の遺伝子発現変化を検索し、それら修復因子の発現に関与するmiRNAを同定、その制御機構の解明を目的として研究を行ってきた。Ewing肉腫細胞は、miRNAの脱制御を介してDSB修復因子の遺伝子発現を亢進させることで、放射線・化学療法に対する抵抗性を獲得している可能性が高いため、治療抵抗性の原因となっている候補を同定した。具体的には、1)Ewing肉腫細胞株4種のmiRNAと下流の mRNA発現をmicroarray法(Affymetrix)にて網羅的に解析した 。2)EWS-Fli1に特異的なsiRNA(以下siRNA)を作成、それぞれをEwing肉腫細胞に導入し、EWS-Fli1をKDした。その細胞を用い、①と同一の手法にてmiRNAおよびmRNAの発現変化を解析した。3)その結果、siRNA導入によるKD後、ほぼ全てのDSB修復因子の遺伝子発現が低下していた。さらに各修復系経路の因子のmRNAを標的とするmiRNAの発現は、siRNAによるEWS-Fli1のKDによって発現が亢進していた。さらにDSB修復経路HRおよびNHEJのみならず、ミスマッチ修復、ヌクレオチド除去修復、メチルトランスフェラーゼなど他のDNA修復因子についても発現異常を解析した。特異的融合遺伝子のKDによって共通に発現上昇するmiRNAの中に、これら修復系因子の遺伝子発現を標的とする複数のmiRNAも特定することができた。
|