2020 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症性マクロファージ由来因子と骨関連細胞に着目した新規骨粗鬆症メカニズムの解明
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20K09425
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 大介 北海道大学, 大学病院, 講師 (90528845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
テルカウィ アラー 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00723074)
清水 智弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (60784246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | M2マクロファージ / 制御性T細胞 / 遺伝子プロファイル / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
M2マクロファージと制御性T細胞の遺伝子プロファイルからバイオインフォマティックス解析を行い、骨代謝に関連する候補因子を選択した。続いて、ヒト単球細胞を用いて、破骨細胞分化と骨吸収能をその候補因子とともに投与すると濃度依存的にRNAKLによる破骨細胞分化を抑制し、骨吸収を抑制した。続いてIn vivoの検証としてRANKL誘発骨粗鬆症モデルマウスを用いた実験系により候補因子を直接投与すると、局所の骨破壊抑制が観察された。qPCRを行うと、RANKL刺激によって上昇した破骨細胞関連マーカーの発現が低下していたことから、局所の骨吸収抑制効果を抑制することが明らかとなった。 破骨細胞分化抑制のメカニズムを解明するために、ヒトマクロファージとリコンビナントタンパクを共培養したものから、RNAシークエンスによる網羅的遺伝子発現解析を行った。シークエンス結果から、バイオインフォマティックスアナリシスにより、発現上昇経路を同定し、siRNA、qRT-PCR、ウェスタンブロッティング法 (WB法)などによるin vitroでの検証を現在行っている。 In vivoでは卵巣摘出を行う閉経後骨粗鬆症モデルを作成し、全身投与を行った。マイクロCTの結果から卵巣摘出による、骨吸収亢進がその候補因子投与することによって抑制されることが明らかとなった。TRAP陽性細胞は候補因子を投与することによって抑制されていることが観察された。現在、追加して免疫染色を行い、詳細な病態内のメカニズム解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補因子はIn vitro、In vivoで仮説通りの結果を得ることができており、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル数を増やし、力学的強度との関連性を調査する予定である。またsiRNAやqRT-PCRを用いた遺伝子解析やタンパクレベルでのメカニズム解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも生化学物品の消耗品を要しなかった。次年度に動物実験を追加して行う予定であり、繰り越して研究を行う予定である。
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