2022 Fiscal Year Annual Research Report
The protective effects of new mitochondrial modulators on onset and progression of osteoarthritis
Project/Area Number |
20K09426
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 功 東北大学, 医学系研究科, 講師 (00718497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健弘 東北大学, 医工学研究科, 特任准教授 (50396438)
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミトコンドリア代謝改善 / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達はミトコンドリア機能改善効果を持つ新規化合物MA-5が、変形性関節症(osteoarthritis: OA)の発症や進行を低減させる作用があるかを検証するため、種々の実験を進めてきた。具体的には、マウスの膝関節にOAを惹起するモデルであるDMM(半月板不安定化)モデルを作成し、それにMA-5を4-8習慣にわたって連日経口投与することにより、対照群と比較して膝関節OAの程度や形態に変化が生じるかについて検証してきた。MA-5を8週間連日投与した群において、その膝関節軟骨の組織像を確認すると、膝関節軟骨変性の僅かな減弱効果がみられた。これはMA-5が、膝関節軟骨のOA変化に対して、何らかの保護作用を有していることを示す重要な所見と考えている。 またそれに付随し、マウスを屠殺後に採取した下肢の筋組織を用い、電子顕微鏡でミトコンドリアの形態を確認した。その結果、MA-5投与群と非投与群において筋ミトコンドリアの形態に違いがみられた。具体的には、MA-5投与群においては、ミトコンドリアのサイズの縮小化がみられていた。 研究計画に示したマウス膝関節軟骨からの核酸抽出および網羅的遺伝子解析については、マウス膝関節から採取される軟骨片が非常に小さく、そこからマイクロアレイに耐えるRNAの量と質を担保することが、今回の研究期間においては完遂できなかった。このため、その先の解析であるパスウェイ解析やクロマチン免疫沈降法による解析等は、残念ながら着手できなかった。
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