2022 Fiscal Year Annual Research Report
血漿プロテオーム解析による骨組織由来生理活性物質の同定と全身性代謝制御機構
Project/Area Number |
20K09432
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀家 なな緒 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (30589221)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 軟骨 / 骨 / エネルギー代謝 / 生理活性物質 / 血漿プロテオーム解析 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、申請者が既に同定している軟骨・骨由来新規分泌因子の生理機能を解明することである。 ヒトiPS細胞由来軟骨組織をSCIDマウスに移植して骨組織に分化させ、インスリン、PTHrP 刺激、長期高脂肪食負荷をかけた。移植マウスの血漿をLCMS/MS型質量分析装置にかけ、移植したマウスで分泌されるヒトのアミノ酸配列をもつ分子を151種類同定した。その内訳は、細胞外マトリックス12種類、成長因子5種類、酵素・阻害剤35種類、プロスタグランジン1種類、サイトカイン・ホルモン3種類、アポリポプロテイン3種類、神経伝達物質1種類、機能不明分泌因子6種類、その他機能不明分子85種類であった。 この中から既存の軟骨基質ではなく、シグナル配列を持ち、且つ未だ軟骨や骨から分泌されると知られていない因子を32種類を新規生理活性物質として同定した。 本研究は、ゼノグラフトモデルを用いた初めての試みであり、これまで血漿中の分泌因子がどの臓器から分泌されたか由来を特定できなかったが、マウスとヒトのタンパク質ではアミノ酸配列の違いがあり区別できることに着目し、マウスの体内にヒト組織を移植することで、マウス血漿中のヒトのアミノ酸配列をもつ分子は移植した組織由来の因子を同定した。RNAseqやマイクロアレイ等による遺伝子発現比較による探索ではなく、得られた分子が陽性である偽陽性がない実験系を確立することに成功した。 さらに、マウスとヒトのペプチドを区別できるため、アルブミン等のメジャータンパク質を除去する煩雑な前処理を行わず、マウスの血漿をそのまま質量分析で解析できることから、検出感度が極めて高いシステムである。
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[Journal Article] Engraftment of allogeneic iPS cell-derived cartilage organoid in a primate model of articular cartilage defect2023
Author(s)
Kengo Abe1,2,3, Akihiro Yamashita1,3, Miho Morioka1 , Nanao Horike1,3, Yoshiaki Takei3,4, Saeko Koyamatsu1 , Keisuke Okita 5 , Shuichi Matsuda 2 & Noriyuki Tsumaki 1,3,6
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Journal Title
Nature communications
Volume: 14(804)
Pages: 1-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research