2020 Fiscal Year Research-status Report
MRI自動読影装置を用いた腰部脊柱管狭窄症の自然経過とその予後予測因子の解明
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20K09439
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
石元 優々 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20508030)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRI / 腰部脊柱管狭窄症 / ロコモティブシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
現在に至るまで腰部脊柱管狭窄症(LSS)に対する一般住民を用いたエビデンスレベルの高い研究は少なく、その有病率ですら明らかではなかった。これはLSSの診断には専門家の診察とMRI画像が必要不可欠であり、一般住民における調査が困難であったからである。このような背景をもとにわれわれは、The Wakayama Spine Studyを立ち上げ、1011人の地域住民(平均年齢66.3歳)に対し専門医の脊椎診察と車両搭載型MRIを用いたLSS調査を開始、そして今年末から始まる調査でちょうど10年目、4回目の追跡調査を行っているところである。本邦におけるLSS有病者は600万人弱存在すると推定しているが(石元優々など 整災外科 2014)現在に至るまでLSSに対するリスクファクターや自然経過は不明のままである。申請者は以前、本studyのベースラインデータを用い腰部脊柱管狭窄(Radiographic LSS)の有病率を報告した。また申請者は留学中にオクスフォード大との共同研究を開始した。同大学が開発したMRI自動解析装置は人のMRI読影を学習できる能力があり、申請者はすでにその高い一致率を確認し、報告している。(Ishimoto Y etal. BMC 2020) 今回の目的は、腰椎MRI自動解析装置に申請者の読影を学習させ、追跡調査で得た腰椎MRI画像を読影しLSSの自然経過とその発症に対する危険因子を明らかにすることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年春に予定されていたオクスフォード大学での本研究のための The Back2Back Meeting Oxford も中止、延期となっている。未だに開催のめどはたってないもののおそらく今年には行われると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29-30年、申請者は国際共同研究加速基金を得て、英国サザンプトン大学MRC疫学ユニットに留学した。この時、2016年国際腰痛学会において「MRI画像の自動解析装置」(Amir Jamaldin SPINE 2017)でアワードを獲得したオックスフォード大学整形外科教室のフェアバンク教授との共同研究も開始した。申請者は渡英時にこの装置に申請者の腰部脊柱管狭窄(Radiographic LSS)の読影を学習させ、申請者の読影と比較し高い一致率を得ることが出来た。(同内容はISSLS(国際腰痛学会) 2019で口演、Musculoskeletal Disordersにアクセプト)人が読影すると多大な労力とバイアスがかかることになるが、申請者の読影を学習させた装置により追跡のMRI画像を読影させたならば、再現率100%で申請者がグレーディングしたことになる。同一者が、同じ方法で追跡の腰椎MRI読影を行うことによりLSSの発症・増悪に対するリスクファクターを解明することが出来る。また同手法で各国コホートを比較検討することで、日本人特有のLSSに対するリスクファクターを解明することが可能となる。 今この装置に追跡MRIデータでRadiographic LSSを読影させ有病率を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
学会がウェブ開催となり旅費が必要なくなりました。
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