2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel real-time feedback system using electromyography
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20K09448
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Higashinagoya National Hospital |
Principal Investigator |
竹内 裕喜 独立行政法人国立病院機構東名古屋病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構東名古屋病院(臨床研究部), その他 (90809253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶌 一平 信州大学, 医学部, 准教授(特定雇用) (20646286)
松井 佑介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90761495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋電図 / フィードバック / 運動学習 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィードバック介入を行う予備段階として、健常人を対象に静止および動的立位時の重心動揺と下肢筋活動計測を実施した。特に、動的立位課題においては、前傾姿勢保持課題により最大前傾位の35%と75%を40秒間保持する際の筋活動を、大腿および下腿から片足8筋ずつ測定し、各筋間コヒーレンスおよびシナジー解析をオフラインで実施した。結果、前傾姿勢が安定して保持できる高い運動技能を有する被験者においては、下腿後面筋間の連結性が良好である傾向が見られた。今後、高齢者および脳卒中患者における立位動作時の下肢筋活動制御機構について、ネットワーク解析により捉えていくことで、立位における下肢筋活動パターンのベースラインデータの収集および疾患による立位不安定性の生理学的なメカニズムの解明を行っていく。 一方、フィードバック制御システムの開発に関しては、教師なし学習の一つである無限関係モデルをベースに、両下肢16筋の関係性を視覚化する解析フォーマットのプロトタイプがほぼ完成している。また、筋活動パターン成分ごとに分類するNNMF解析に基づいた解析手法を使い、筋活動パターンの経時的変化の評価をミリ秒単位で実施可能なプラットフォームの作成も進んでいる。今後はこれらのアルゴリズムからリアルタイムに近い形で対象者に表示できるシステムの構築を今後早急に行っていく。その後、まずは健常者を対象とした予備検討でシステムの効果を検証し、速やかに脳卒中患者における介入へと移行していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重心動揺計測と下肢16筋よりデータを収集し、そのデータを一括でオフライン解析する評価システムは構築できている。実際のデータ計測および解析に関しては、健常成人を対象に予備実験を進めており、立位動作能力と下肢筋間の連結性やネットワークといった活動パターンの解析との関係性の検討を進めており、データ収集の目処が立っている。また若年者および脳卒中片麻痺患者との比較を行うため、健常高齢者の測定も令和3年度より実施できるよう、自治体と交渉し了承を得ることができた。 フィードバックシステムに関しては、オープンソースであるOpenVibeを利用した開発を開始しており、プロトタイプは完成している。当初は筋活動のフィードバックのみで介入を行う予定であったが、重心軌跡情報を含めた指標を利用できる可能性もあり、今後検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、高齢者のデータ収集は地域在住の日常生活が自立された方を対象とする予定であり(自治体の健診事業)、コロナの影響を見ながら積極的なデータ収集を行っていく予定である。脳卒中患者におけるデータ収集は東名古屋病院において実施する。倫理申請はすでに承認されており、コロナによる病院への共同研究者の出入りが可能になり次第進めていく予定である。 フィードバックシステムに関しては、NNMF解析による筋活動パターンの時系列変化や機械学習手法を利用した解析結果を、対象者が理解しやすい次元に情報を圧縮することで介入指標として利用する。そして、そのための最適なフィードバック指標の探索を網羅的に進め、フィードバックシステムの開発を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の拡大により旅費や学会参加がなくなりオンラインとなったこと、被験者を対象とした実験が積極的に実施できず被験者謝金およびデータ入力補助などの人件費が予定よりかからなかったことため、次年度使用額が生じた。 来年度は、病院での介入が可能になり次第実験を開始できるようすでに倫理審査は受けており、感染状況を見ながら速やかにデータ収集解析を行っていく。また地域における高齢者のデータ収集も行いながらシステムの完成を早期に実現するための機器購入や人件費として使用する。
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Research Products
(5 results)