2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K09449
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Research Institution | Yamagata Prefectural Yonezawa University of Nutrition Sciences |
Principal Investigator |
船木 智 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 助手 (10647192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 慎介 福岡大学, 薬学部, 助教 (10404211)
角家 健 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374276)
周東 智 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (70241346)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経保護 / 血液脊髄関門 / 2次損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄損傷に対する有効な治療法はいまだ確立されておらず、その治療法の確立が求められている。これまでの研究から、一次損傷に引き続いておこる、血液脳脊髄関門の破綻を防ぐことで、二次損傷を軽減できる可能性が示されているが、その具体的な方法はいまだ確立されてない。本研究では、約2400の北海道大学独自の化合物をスクリーニングした結果、類似の化合物の類縁体14剤が培養ヒト脳血管内皮細胞に対する細胞保護作用を持つことを見出した。そこで、本研究の目的は、これらの化合物の応用により、脳脊髄血管内皮細胞保護作用を介して、血液脳脊髄関門の破綻を防ぎ、脊髄損傷後の二次損傷を軽減することで、最終的に神経保護作用を発揮する新規神経保護薬を開発することである。本年度までに、代表的なVCP化合物を大量に作成し、正常マウス、および脊髄損傷マウスに腹腔内投与して、経時的血液濃度を測定した。その結果、培養脳血管内皮細胞に有効であった濃度と同様の血中濃度が腹腔内投与でも得られること、VCP化合物の投与によって明らかな副作用を生じないこと、VCP化合物の腹腔内投与によってマウス脊髄損傷後のIgG漏出面積を抑制することを確認した。このことは、脊髄損傷後の血液脊髄関門機能の破綻を抑制することを示している。続いて、マウス頚髄圧挫損傷を作成後、VCP化合物を腹腔内投与し、8週間後の運動機能、感覚機能を評価した。その結果、治療群は対照群と比較して、機能学的に有意な改善効果を示さなかった。今後、損傷脊髄の詳細な評価を実施後、論文作成を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は以下の3つの目的を設定したが、目的1、2と3の一部を達成し、進捗は順調であると考える。目的1:VCP化合物の血液脳脊髄関門保護効果をマウス脊髄損傷モデルで明らかにする。目的2:VCP化合物の血液代謝動態を明らかにし、至適投与方法を確定する。 目的3:脊髄損傷マウスを使用してVCP化合物の神経保護効果を明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
VCP化合物の投与によって、マウス脊髄損傷後の血液脳脊髄関門の破綻を抑制することが、in vitro, in vivoの実験を通して、明らかになった。しかし、マウス脊髄圧挫損傷後にVCP化合物を投与しても、機能改善効果は認めなかった。今後は、損傷脊髄の詳細を検討し、組織学的な神経保護効果の有無を確認し、学会発表、論文発表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進行しているが、動物実験に使用する関連試薬を想定よりも安価に購入できたこと、学会にWebで参加可能になり、移動に関連した旅費が必要なくなったことで、支出が想定よりも少なくなった。今年度は、論文投稿費用なども必要になり、特段に使用計画の変更は必要ないと予定している。
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