2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K09461
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤本 徹 熊本大学, 病院, 特任准教授 (00433003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70383768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術等で生体内に設置したインプラントのゆるみの原因として、特に骨インプラントでは、その周囲に起こる骨吸収が問題となる。インプラント周囲の局所的な骨吸収に対し、骨粗鬆症に対する治療薬では制御が困難であり、インプラント周囲の骨吸収のメカニズムも明らかになっていない。破骨細胞の分化を促進する因子として、macrophage colony stimulating factor (M-CSF)とreceptor activator of nuclear factor kappa B ligand (RANKL)に加え、Immuno-tyrosine based activation motif (ITAM)受容体を介した共刺激が重要であることが知られている。ITAM受容体のうち、Fc受容体 common gamma subunit(FcRγ)とDNAX-activating protein 12(DAP12)は破骨細胞分化に必須の役割を担うこと、カルシウム濃度の振動(以下, カルシウムオシレーション)を介して破骨細胞分化のマスター転写因子であるnuclear factor of activated T cells 1 (NFATc1)の発現と活性化を上昇により破骨細胞分化を促進させること、これらのダブルノックアウトマウスでは、破骨細胞分化が著しく抑制されることが知られている。我々はcytotoxic T-lymphocyte antigen 4 (CTLA4)に対して共受容体であるCD80/86と結合することで競合阻害するCTLA4-FcがM-CSFとRANKLによる破骨細胞分化を直接抑制すること、この際、FcRγを介していることを見出した(J Bone Miner Res 2019)。さらに異物巨細胞分化においてもITAMシグナルが必須であることを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
破骨細胞分化においてCTLA4がFcRγを介して分化を直接抑制すること、この際、CTLA4がM-CSF+RANKLによる破骨細胞のカルシウムオシレーション制御を介して分化をコントロールすることを明らかにした(J Bone Miner Res 2019)。CTLA4がFcRγと協調的な作用機構を有していることは、過去に報告がなく、新たな知見である。さらに、破骨細胞分化を負に制御するシグナル分子であり転写因子でもあるsignal transducer and activator of transcription factor 1 (STAT1)も、DAP12とFcRγによるカルシウムオシレーション制御を介した破骨細胞分化制御の経路にある知見を得ている。また、DAP12とFcRγによるITAMシグナルも、破骨細胞と同じ起源を有する異物巨細胞の分化にも必須の役割を担うことを明らかにしている。これらの進捗状況から、研究が概ね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めているDAP12とFcRγのダブルノックアウトマウスに、STAT1ノックアウトを加えたDAP12・FcRγ・STAT1トリプルノックアウトマウスを樹立し、破骨細胞分化及びカルシウムオシレーションを解析する。DAP12・FcRγ・STAT1トリプルノックアウトマウスについてはすでに樹立済みであり、解析を進めている。DAP12とFcRγはM-CSFとRANKLによるカルシウムオシレーション制御からのNFATc1の活性化を介した破骨細胞分化に必須であり、これらのダブルノックアウトマウスでは破骨細胞分化が強力に抑制され、骨量が増加することが知られており、本研究においてもこのことを再現した。一方で、STAT1は破骨細胞分化を負に制御しており、そのノックアウトでは破骨細胞分化が亢進することが知られているが、STAT1のカルシウムオシレーションへの関与は知られていない。今後、樹立したトリプルノックアウトマウスにおける破骨細胞や骨の表現型、カルシウムオシレーションへの影響について検証を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)