2020 Fiscal Year Research-status Report
炎症収束性貪食細胞由来細胞外小胞による関節炎収束メカニズムの解明
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20K09471
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅野 毅 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (50722493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
テルカウィ アラー 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00723074)
清水 智弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (60784246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好中球由来細胞小胞 / 軟骨細胞 / 関節炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
好中球由来細胞外小胞は、炎症活性化により生じる軟骨細胞の変化を制御し、軟骨恒常性を維持すると仮説をたて、好中球由来細胞外小胞が炎症環境下にある軟骨細胞に与える影響を解析することを目的とした。予備実験として、活性化好中球が炎症刺激を付加した軟骨細胞に与える影響をを調査した。好中球を加えた群では、非負荷群と比較し、MMP13やIL-6といった軟骨細胞異化因子発現を減少させ、TGF-βで刺激した好中球がその効果が最も強い傾向でした。続いて、タンパクレベルの評価を行ったところ、好中球負荷群では、非負荷群と比較し、MMP13発現が低下する傾向にあったが、TGF-βにPPAR-Gammaアゴニストを加えた群で最も強い効果を示した。このことから、TGF-βとPPAR-Gammaアゴニスト刺激に着目し、この刺激により放出される細胞外小胞に着目した。好中球刺激群は、細胞外小胞非負荷群よりも有意に軟骨細胞の異化因子に関わる遺伝子発現を減弱させ、タンパクレベルでMMP13の発現量はやや減弱しており、NOやIL-6濃度は、好中球刺激群で細胞外小胞非負荷群よりも有意に減弱した。 好中球由来細胞外小胞は、軟骨細胞の異化因子放出を抑制する傾向をもつことを示し、TGF-β+PPAR Gamma agonist刺激を与えた好中球が最もその効果が高い結果であった。このこtからTGF-β+PPAR Gamma agonist刺激により分泌された好中球由来細胞外小胞は、関節炎を収束させることで、軟骨保護的に働く可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験により好中球細胞外小胞が炎症環境下にある軟骨細胞に与える影響を解析できた。TGFβおよびPPARγアゴニスト刺激により軟骨細胞の異化因子放出を減弱させることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
Ex vivoおよび関節炎モデルマウスを用いたIn vivoモデルの検証を行う。
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Causes of Carryover |
In vivoモデルの実験開始が遅延したため使用額の余剰が生まれた。In vivoモデルの検証を行う予定としており、研究費を繰り越した。
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