2022 Fiscal Year Research-status Report
骨延長マウスモデルにおけるメクロジンのFGFR3抑制効果の検討
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20K09477
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神谷 庸成 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50845542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 浩史 あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室), 臨床研究室, 副センター長 (40291174)
三島 健一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40646519)
松下 雅樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60721115)
長田 侃 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80815324) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低リン血症性くる病 / 骨形成 / 骨延長 / 軟骨無形成症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者のグループは、乗り物酔い止め薬であるメクロジンが、軟骨無形成症(ACH)で過剰となっている線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)シグナル下流のMAPK経路を抑制するという知見をドラッグスクリーニング法により見出した。これを元に、過剰な線維芽細胞増殖因子23(FGF23)がFGFR3とFGFR1を介して骨石灰化障害を生じる低リン血症性くる病(XLH)マウスモデル(Hyp)においてもメクロジンで骨石灰化が改善されることも見出した。臨床において、これらの疾患で生じる低身長、下肢変形に対して骨延長・変形矯正治療を行うことがあるが、ACHでは骨形成が良好である一方で、XLHでは極めて不良である。本研究では、これらの疾患マウスモデルの骨延長モデルにおけるメクロジンの効果を検討し、それを通してFGFR3シグナルの骨形成おける役割を解明することである。2022年度までに野生型マウス、低リン血症性くる病マウス、高週齢の軟骨無形成症マウスおよびその閉経後骨粗鬆症(OVX)マウスモデルにおいて骨延長モデルの作成、薬剤投与、画像および組織標本の作成を行った。低リン血症性くる病マウスモデルでは延長部の骨形成は極めて不良で、メクロジンによる改善は極めて限定的であった。低週齢の軟骨無形成症マウスモデルでは延長骨の形成が良好であることは過去に報告していたが、高週齢の軟骨無形成症マウスモデルでは骨形成は野生型より不良となっており、さらにOVX処置を行うとさらに不良となった。しかし、高週齢の軟骨無形成症マウスとそのOVX処置後マウスから採取した骨髄由来間葉系幹細胞にメクロジンを添加すると骨分化が促進された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低リン血症性くる病マウスにおけるメクロジンの効果、および高週齢の軟骨無形成症マウスとその閉経後骨粗鬆症モデルの骨延長モデルにおける検討は完了し、それぞれ論文投稿と受理が完了した。現在は低リン血症性くる病マウスモデルの骨延長モデルの画像解析と組織解析を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
低リン血症性くる病マウスモデルの画像解析と組織評価を進めるとともに、その結果についての解析を行い、学会報告と論文作成を進めていく。
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Causes of Carryover |
予定していた低リン血症性くる病モデルマウスの詳細な組織評価の外注が不可となったことから次年度使用が生じた。他の外注先を探すとともに、CT画像評価も含めて自施設内での評価も進め、結果がまとまり次第、学会発表や論文報告を行っていく。
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