2023 Fiscal Year Research-status Report
テネイシンC・シンデカン4・フィブロネクチンの軟骨に対する作用とシグナル伝達機構
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20K09500
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
長谷川 正裕 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (40308664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 恭子 (今中恭子) 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00242967)
須藤 啓広 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60196904)
吉田 利通 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (80166959)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節軟骨 / 変形性関節症 / テネイシンC / シンデカン4 / フィブロネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
膜貫通型ヘパラン硫酸プロテオグリカンであるシンデカン4は細胞外マトリックスであるテネイシンCやフィブロネクチンと結合することが知られている。関節軟骨において、シンデカン4、テネイシンC、フィブロネクチンがどのような作用があるか単独投与、複数投与による検討を行った。 人工膝関節置換術を受けた患者の組織から軟骨細胞を単離培養し、フィブロネクチンのペプチドであるFNIII14を添加した。なお、FNIII14はテネイシンCのドメインであるTNIIIA2に対して、拮抗作用を示す。FNIII14添加でβ1インテグリン活性が低下し、軟骨細胞増殖が抑制された。TUNEL assayでアポトーシスを示す陽性細胞の割合が上昇した。リアルタイムPCRにおいて、FNIII14添加でCOL2A1、ACAN、SOX9の発現が有意に減少し、TNF-α、IL-1βの発現が有意に上昇した。すなわち、フィブロネクチンのFNIII14単独投与では、軟骨細胞のβ1インテグリンの活性を低下させ、細胞増殖抑制とアポトーシスを誘導することを認めた。 シンデカン4、テネイシンC、フィブロネクチンの相互作用があるかどうかを評価した。シンデカン4とテネイシンCの相互作用は、軟骨変性抑制、修復に対しては良い結果が得られる可能性がある。一方、フィブロネクチンは軟骨のアポトーシスを誘導することより、シンデカン4とフィブロネクチンの両者を用いると、軟骨変性抑制、修復に対しては有用でない可能性が考えられる。人工膝関節置換術を受けた患者の組織から軟骨細胞を単離培養し、テネイシンCのドメインであるTNIIIA2とシンデカン4を同時投与した。軟骨細胞において、TNIIIA2投与によるⅡ型コラーゲンやアグリカンの発現促進効果は、シンデカン4追加による増強効果は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィブロネクチンのペプチドであるFNIII14投与では、軟骨細胞のβ1インテグリンの活性を低下させ、軟骨細胞増殖抑制とアポトーシスを誘導することを認めた。しかし、シンデカン4、テネイシンC、フィブロネクチンの相互作用はまだ明らかでない。
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Strategy for Future Research Activity |
フィブロネクチン、FNIII14を関節内に投与して、軟骨変性が生じるか、in vivo実験を行う。 シンデカン4、テネイシンC、フィブロネクチンの相互作用について研究をすすめる。培養軟骨細胞に同時投与しても、相互作用は認められず、共培養システムを用いて、検討する。 シグナル伝達機構の解明も行う予定である。
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