2020 Fiscal Year Research-status Report
ショットガンプロテオミクスを用いた神経線維腫の悪性化機序解明と治療への応用
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20K09506
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
江森 誠人 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20580286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 啓 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00593021)
高田 弘一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90398321)
村橋 靖崇 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90855842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経線維腫1型 / 悪性末梢神経鞘腫瘍 / ショットガンプロテオーム / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
神経線維腫1型患者で悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)を3回外科的に切除したFFPE組織から、神経線維腫とMPNSTのレーザーマイクロダイセクションにより腫瘍切片を切り出し、タンパク質を抽出した。これら3病変に共通でMPNSTに有意に増加していたタンパク質は321種、神経線維腫に有意に増加していたタンパク質は18種であった。増加したタンパク質群のKEGG pathway解析で、MPNSTではタンパク質合成・プロセッシング・分解過程の全てが活性化され、特にプロテアソーム関連タンパクが多く増加(Fold Enrichment:7.93)していた。抗体入手が可能なプロテアソームサブユニット20S proteasome β2、PSMD2は免疫組織染色にてMPNSTで発現が亢進していた。このことからプロテアソーム選択的阻害剤がMPNSTに対する治療効果を示す可能性が示唆された。そこでMPNST細胞株sNF96.2,SCC94,SCC24で、プロテアソーム選択的阻害剤の暴露を行い、細胞株での増殖抑制を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の通りの研究計画が進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
bortezomib以外のプロテアソーム阻害剤のin vitroでの細胞増殖抑制を確認する。またIn vivoでの抗腫瘍効果を確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で国内・国際学会が中止となり直積経費の旅費の経費がなかったこと、また研究活動も制限されたことで次年度に使用額が生じたと考えられる。次年度では研究活動が制限されることは少ないため、今後bortezomib以外のプロテアソーム阻害剤のin vitroでの細胞増殖抑制を確認する。またIn vivoでの抗腫瘍効果を確認する。
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