2021 Fiscal Year Research-status Report
低酸素環境での新規分子HYBIDの制御による変形性関節症治療法の開拓
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20K09507
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井上 裕章 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (60457968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HYBID / ヒアルロン酸 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒアルロン酸の合成分解機構に低酸素の持続時間が与える影響についてin vitroで検討した。ラット軟骨細胞を低酸素インキュベーターを用いて1%低酸素環境で1、3、6、24、72時間低酸素刺激を加えた後に細胞を回収し、HAの合成と分解に関連するHIF-1α、HYBID、CD44、HYAL-1、2、HAS-1、2、3の遺伝子発現をrealtime PCRで評価した。 HIF-1αは継時的に増加傾向にあり72時間では有意に発現が亢進した。分解酵素であるHYAL-1は24時間以降で増加しており、HIF-1αと似た傾向を示した。分解酵素であるHYBIDは時間依存性に減少した。またHA受容体であるCD44は低酸素環境で発現が低下した。HA合成酵素であるHASは低酸素環境で増加する傾向にあり、HAS-1、2では6hで著明に発現が増加した。以上から持続する低酸素環境が分解酵素に与える影響として、HYBIDの抑制とHYALの増加が確認できた。 以上から持続する低酸素環境が分解酵素に与える影響として、HYBIDの抑制とHYALの増加が確認できた.関節内のHA分解においてHYBIDが中心的役割を果たしていることと今回の実験結果から、関節内では低酸素環境がHA分解に対して抑制的に働いていると考える.また,HA合成酵素であるHASはいずれも増加しており,低酸素環境は関節内のHA分解を抑制し,合成を促進することで高分子HA維持に作用している可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに結果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞においてsiRNAを用いたHYBIDの抑制実験を行う。高分子HA投与後における培養液中のHA分子量を解析する。同様の検討を低酸素環境でも行いHYBIDの制御機構 に低酸素ストレスが与える影響について検討する。
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Causes of Carryover |
ヒアルロン酸の分子量の測定方法やHYBIDの抑制方法の検討などに時間を要し、その後の研究試薬購入を先送りしているため。
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Research Products
(1 results)