2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidate the molecular mechanism of pain suppression and cartilage protection by mesenchymal stem cells in a rabbit arthritis model
Project/Area Number |
20K09513
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
市堰 徹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30307631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 都 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00440511)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / ホーミング / 軟骨損傷 / モノヨード酢酸 / 関節炎モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討で、モノヨード酢酸(MIA)を1㎎もしくは2㎎を関節内に投与することでウサギにおける軟骨損傷モデルを作成可能であることを確認したことから、MIA2㎎でのモデルを作成した。本モデルを用いて、骨髄幹細胞(BMMSC)の関節内投与および経静脈的投与による軟骨損傷抑制を試みた。その結果として関節内投与および経静脈的投与の両投与経路ともに軟骨損傷程度の抑制を認めた。同時に経静脈的投与では関節軟骨損傷部位の周辺へのHomingを確認できた。また、BMMSCから発現していると考えられる軟骨保護因子であるTSG6の発現を多数認めることを確認した。さらに軟骨損傷にかかわる因子であるADAMTsの発現抑制が示された。疼痛関連として脊髄の中枢性感作を調査したところ、当該関節領域における疼痛因子の発現抑制所見が得られたことから疼痛の二次性に発生する中枢感作に伴う疼痛の悪循環の抑制にもMSCの投与が寄与している可能性が示唆された。現在、関節内にある滑膜にも幹細胞が集積しているかについて、本因子を中心に軟骨損傷モデルでの検討を進めている。追加実験として軟骨や関節周辺の骨組織はもともと低酸素であることに注目して、In Vitroでの検討としてMSCの低酸素でのストレス環境下におけるMSCの状態を調査したところ、低酸素環境でも十分なATPの維持を認めたことから、MSCの軟骨組織周囲での効果発現に期待が持てる結果であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モノヨード酢酸(MIA)を用いた関節炎・軟骨損傷モデルの作成において、MIAの投与量がはっきりしていることから順調に実験を行えている。また、骨髄間葉系幹細胞(BMMSC)の関節内投与や経静脈的投与の手技が確立していること、免疫組織化学的検討やWestern blotなどに用いる抗体の条件設定が適切であることが良好な進行の理由として考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
経静脈的投与でのHomingが骨内循環を経由するのか、滑膜経由なのかを調査するために、軟骨損傷モデルでの早期の骨内もしくは滑膜でのBMMSCの動きを免疫組織学的に確認する。また、CXCR4などのHomingにかかわる因子について検討し、軟骨損傷部位へのHomingシステムを明確にし、軟骨損傷抑制および再生について検討を加える。
|